「はぁ……散々な目に遭ったわ」
「茶々も被害者なんだけどぉ~……くっ、バラキーめ、寝返りおって……」
結局見つかって悪役にされたアビゲイルと茶々。
バラキーは当然のように裏切って敵になったが、劣勢の時にやって来たキアラとBBに助けられ、逃げ延びた。
とはいえ、二人が何か不穏なことを言っていた気もするので、手放しには喜べなかった。
「貸し一つ……ね。私、返せるかしら」
「叔母上払いで許してもらおう。さらば叔母上。私の平穏の犠牲となれ」
「清々しいくらいの売りようね……まぁ、私は真似できないのだけど」
「いや、むしろ茶々は叔母上を売ることを求められてる気がした。アビーはほら、門があるから。たぶん逃げた叔母上を捕まえるときか、もしくは逃げるときに使われそうだから、自分から動く必要はないと思うよ」
「そうかしら……」
「うんうん。とりあえず、ほら。どこかで見てたはずのマスターの所に行くよ。最悪マスターを生け贄にすれば良いしね」
マスターすら売るつもりの茶々に、アビゲイルは苦笑いしつつ、しかし実際にそれをするとどうなるかを想像し、若干青くなる。
「マスターを売ると、マシュさん辺りに怒られそうなのよね……」
「叔母上とBBとマスターが揃うと危ないしねぇ……うん。マシュは怒るね。まぁ、なんとかなるよ!」
「うぅ……マスターとマシュさん、一緒にいるわよね……だからエウリュアレさんがマスターと一緒にいないんだもの……」
「片方を見るだけでもう片方がどういう状況なのか大体推測できるって、すごい状況だと思うの。まぁ、茶々も分かるんだけどさ……」
そう言って、二人は今も戦っているか、もしくは倒れているであろうバラキーが気にかかるも、敵に回ったのでぼろ負けしても良いんじゃないかと。むしろ思いっきり痛い目に遭えと思っている二人は、マスターを探して歩いていた。
「ところで、マスターどこにいるの?」
「それが分かってるのなら、歩いて探してないわ。門で一直線よ」
「だよねぇ……うん。マスターどこ行ったんだろ」
「まぁ、エウリュアレさんと一緒じゃないのは確かよ。ジャックとバニヤンを連れていたもの」
「ん~……観覧車かな? マスター乗ってなかったよね」
「え? いえ、私とマスターは一緒に乗ったわ。茶々とバラキーは気づいてなかったみたいだけど……」
「えぇっ!? 茶々とバラキー以外は知ってたの!? マジで!?」
「まぁ、ジャックとバニヤンの二人と入れ違いだったから……二人は先に乗ってたものね」
「ぐぬぬ……いや、別に知ってても得無いや」
そんな事を話しつつ、二人はマスターを探すのだった。
1500万DL記念……趣味枠のゴルゴーンを取るか、性能枠のバサスロを取るか、趣味と実益を兼ねたアタランテorワルキューレにするか……悩みどころです。