「で、またアタシ達の出番って事かい? マスター」
「うぅぅ……私は出来るだけ戦いたくないんですけど……」
「相手がチンピラとスフィンクスだからねぇ……戦いやすい二人が一番でしょ」
チンピラを巨大な手で払い、更に銃弾を叩き込んでいく。
オオガミはそれを見て、苦笑いをする。
「しっかし……スフィンクスねぇ……随分と懐かしい因縁の相手じゃないか」
「あ~……うん。最悪最低の因縁の敵だわ。6章では阿保みたいにお世話になったもんなぁ……」
「今回はそのお礼参りと言うところかねぇ。やってやろうじゃないか」
「あぁ、それも良いねぇ……じゃあ、そうしようか。全力でお礼参りだ。全力で蹂躙するよ」
「応ともさ!!」
スフィンクスに向けられる銃口。それと同時に出現する無数の戦艦。
「さぁ、行くよ野郎ども!!」
「「「おおおおおおぉぉぉぉーーーー!!!」」」
戦艦に搭乗していた無数の乗組員の叫び。
その異様さに怯える相手に構わず、ドレイクは指揮を執る。
「全砲門! 対象はスフィンクス!! 撃ち方用意!!!」
一斉に動く無数の砲門。一つ一つが強力な一撃にも関わらず、その砲門が一斉に自身の方を向くという恐怖。
それゆえに、圧倒的恐怖になり得る。
「リップ!! 下がってな! 一斉掃射、行くよ!!」
「うえぇ!? わ、私まで巻き込まないでくださいね!?」
必死でリップは射線上から脱出する。それと同時に、
「撃てええぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!」
響く轟音。
一斉に放たれた砲撃は、全ての魔物を一掃していく。
「い、一瞬遅れてたら私もあの魔物みたいに……」
「ちゃんとリップが退くまで待っていただろう?」
「そうですけど! そうじゃないんです!!」
「まぁ、アタシもすぐさま撃って悪かったよ。次は気を付けるからさ」
「……本当ですか?」
「嘘吐いてどうするのさ。海賊なんざ、信頼関係が一番だよ。仲間同士で疑うとか、一番したくないことだね」
「……なら、次はもうちょっと余裕をもってお願いします」
「あいよ。任せな」
不敵に笑うドレイク。若干の不満があるものの、彼女の人の好さをこれまでの戦いで知っているパッションリップは、強く言う事が出来ないのであった。
「さて、じゃあ、どうするんだい? あとどれだけ回る?」
「そうだねぇ……後一、二回かな。実際、何度も回る必要なんかこれっぽっちも無いんだけどね」
「え、じゃあなんで回ってるんですか?」
「そりゃ、普通に種火行くよりも気持ち楽だから? それに、素材とか石も手に入るし」
「なるほど……全員キャスターですもんね、確かに倒しやすそうです。あの、すっごく疲れますからね?」
「うん。だから、あと一回で休憩! というか、今日は終わり! 行くよ!!」
「あ、ちょっ、マスター!」
「あはは!! それじゃあ、最後の仕上げと行くよ! ついて来な、リップ!」
オオガミを先頭に、ドレイクとリップがその後ろを走るのだった。
仕方ないじゃないですか……友人に急かされて、6章まで実質石と令呪でゴリ押しだったんですよ……レベルほとんど1でスフィンクスに勝てるわけないじゃないですか……