「うむ!! ようやく余の出番だな!!」
「茶々も頑張るし!!」
「この場において、私が一番場違いなのは分かってるわよね? マスター?」
「うん、そうだね。なんでエウリュアレがいるのかって感じだよね」
ネロと茶々が胸を張っている中、後衛にいるエウリュアレがオオガミの足をひたすら蹴りながら睨みつけてくる。
「むむっ。エウリュアレよ、
「んな訳ないでしょ。こいつは何も考えてないわよ。そういうマスターだもの、どれだけ一緒にいると思ってるのよ」
「それを言われたらこっちはどうしようもないね」
「むっ、日数など関係ないぞ。ちゃんと考えている事くらい余にも分かる!」
「へぇ? このランサーだらけの場所にアーチャーである私を連れてきた意味があるって? 聞かせて頂戴。どんな内容か気になるわ」
不機嫌そうな顔で言うネロに、エウリュアレが不敵な表情で聞き返す。
「なに、至極簡単な事だ。余が
「…………え、本当?」
「いやいやいやいや。的外れではないけども、メインは最後のバーサーカーへの攻撃力だから」
「……ほら、こう言ってるじゃない」
「ちょぉい!! 完全に今認めていたではないか!! っていうか、地味に余にもダメージが入ったのだが……誰か余を慰めて……」
自分で何を言っているのか気付いたのか、突然わなわなと震え、へたり込むネロ。
それを見て、となりにいた茶々が慰めに行く。
「はいはい。というか、なんで自分で胸を張って言ってダメージ喰らってるのさ」
「余にも……譲れない物はあるのだ……さらっと敵を増やしてしまった」
「敵が増えても構わない!! くらいの意気込みじゃないと負けると思うし。むしろどんと来い! じゃないと」
「ハッ…!! 確かにそうであった!! 何を弱気になっていたのだ! 女神が相手なら不足なし! 余の魅力の方が優れていると絶対に言わせてやるからな!!」
茶々の手によって息を吹き返したネロは立ち上がると、原初の火をしっかりと持ち、ようやく敵に目を向ける。
「よし! では、そろそろあやつらを倒しに行くとしようではないか」
「もう何回も行ってるけどね」
「茶々としても、結構頻繁にやられるから不満だけどね!」
「えぇい良いではないか!! 天敵はあの猪だけであろう!?」
「バジリスクが天敵だから」
「茶々もバジリスクに滅茶苦茶叩かれるから辛い。なんで皆茶々を狙うし」
「そりゃ、バーサーカーとか全クラスの天敵だし」
「マスター。そう言う事言われると茶々も泣きたくなるんだけど」
「いやいや、誇って良いと思うんだけど……まぁ、茶々が嫌なら言わないけども」
茶々の何とも言えないような視線を受けて、苦笑いを浮かべながらそう言うオオガミ。
「はぁ……まぁ、良いわ。さっさと済ませちゃいましょ」
「ん。茶々も言いたいことは言ったし、すぐに終わらして帰ろう!」
「うむ! 余の全力、見るが良い!!」
三人は、そう言ってバジリスクと巨大魔猪に向かっていくのだった。
本当に後衛に控えてるエウリュアレ。だって、猪に与えるダメージ大きいんですもん。
バジリスクですら、彼女の前には無力……(死にかける時もある)