「なんじゃあれ! 儂欲しいんじゃけどぉ!!」
「えぇ~……明らかに悪趣味なんですけどぉ……BBちゃん反対ですぅ」
明らかに危なそうな戦車擬きに目を輝かせるノッブと、心の底から嫌そうな顔をするBB。
「よぅし、捕獲じゃ。乗っとるぞ!」
「あぁ、いえ、そのですね。乗っとり自体は簡単なんですよ。あれ、無人機なんで」
「……そういうの面白くないと思うんじゃけど。いや、構わないんじゃけども」
「えぇ~……ハッキング掛ければ瞬殺ですよ」
「いやいや……未知のテクノロジーじゃろ? 流石にのぅ……」
「月のテクノロジーですよ? 負けるわけないじゃないですか」
「うっわぁ~……月ってヤバイんじゃなぁ……」
「こんな所に負けられるほど月は弱くないんです~。ムーンセルは伊達じゃないんですから」
「ふぅむ……じゃあ、BBには後であれを作ってもらうとするか」
「えっ、絶対嫌ですけど」
直後、二人の大乱闘が始まった。
* * *
「という訳で、エウリュアレ様の出番は終了です」
「……絆上限を上げてまでルールを守るのね……絆マじゃないから良いとか、それで良いのかしら」
そう言いながら、戻ってくるエウリュアレ。
男性のバーサーカーやセイバーに負ける訳もなく、むしろその二種こそ、彼女の独壇場そのものである。
「でも、もう出てきそうにないわよね、あの二人」
「……まぁ、最大の難所が終わったんだから、問題ないわ。ゆっくり休憩させて貰うわね」
「うん。また出番があったら呼ぶね」
「えぇ。久しぶりに暴れられて良かったわ。やっぱり、たまに戦うくらいがちょうど良いわね」
そう言って、オオガミの後ろに座り込むエウリュアレ。
とはいえ、オオガミも本調子ではないため、後ろにいられても困るのだった。
「ねぇマスター。いつになったら私の出番はあるの?」
「ん~……アビーの出番はしばらくはないかなぁ……そろそろ縛りを緩めても良いかなぁって思ってるけども。うぅん、どうしよ」
「まぁ、少なくとも今回は無いわよねぇ……もうバーサーカーは当分来ないだろうし、来ても私が対処するんだろうし」
「むぅ~……私も暴れたいのだけど……」
メインストーリーでは滅多に暴れられないアビゲイルは、不満で頬を膨らます。
オオガミはそれに苦笑いで返し、そして、どうしようかと考える。
「そもそも、縛る理由がないと思うのだけど」
「それを言われると耳が痛い……でも、何も無しで行くのも、なんとなく面白味がないなぁって」
「別に面白味を求める必要はないんじゃないかしら……」
「ん~……でもねぇ……まぁ、次回はもうちょっと緩めるよ」
オオガミはそう言って、休憩するのだった。
まぁ、エウリュアレがいて負けるわけ無いんで。あの二人はエウリュアレの前では無力に等しい……