「何よアレ……まさに大災害ね……」
「いやいや、マジで無理じゃろ、あんなの。しかも、いつもの性別不詳じゃし。詐欺してんじゃないっつかその声からして明らかに男じゃろ?」
「縛ってる場合じゃないです。というか、縛らなくても勝てる気がしないです。すぐさま縛りを止めて全力を出すべきかと」
「うん……とりあえず、縛らないで全力でぶつかってみるしかないか……」
とはいえ、一撃で倒せない上にかなり硬く、しかもこちらを一撃で潰してくるので、どうしたものかと悩む。
「なんというか、城塞って感じよね。難攻不落の超装甲で超火力。一撃で潰してくる感じがまさにそんな感じ」
「あんなのとは戦いたくないなぁ……いや、ほんと、冗談になってないって」
「BBちゃんもお断りです。クリティカルでワンキルとか、笑えませんよ。スカディさんを思い出しましたよ」
「あれも怖かった。ライダーが一瞬で溶けるんだもん……バフ宝具の人危な過ぎない……?」
「やっぱバフの人はそのバフを封じなきゃです。一片も残さず塵にしてやりましょう」
「待ってさっきからアナが凄い殺気立ってるんだけど! お姉さまどうにかしません!?」
「マスターは諦めて相手をすればいいと思うの。さて、対策を考えるとしましょうか」
アナににじり寄られて震えるオオガミを尻目に、どうやって倒すかを考えるエウリュアレ達。
とはいえ、あの高攻撃力を突破するにはやはりバフを止めるか、かき消すかをするしかない。
「とりあえず、強化無効をするって感じかしら」
「それが一番ですねぇ……まぁ、出来たらの話ですけど」
そんなことを言いながら会議して、結論が出たころにはかなり時間が経っており、振り向くと既に疲れ切っているオオガミと、そんなオオガミに膝枕をしているアナがいた。
「……何してるのかしら」
「あぁ、はい。先ほどマスターがあの難敵を倒しまして、帰って来たばかりで疲れているっぽいので、とりあえず寝かせようかと思って、こんな状況です」
「……作戦考えるよりも、何度も行って無理矢理攻略するって、中々強引過ぎると思うの」
「まぁ、結局縛りはほとんど残ってませんでしたけどね。令呪と石を使わなかったくらいですかね?」
「……縛りが原型留めてないわね……まぁ、それくらい強かったんだと思うんだけども」
「成功した時の状況が結構圧倒的でしたけどね……まぁ、今回は縛ること自体がほぼ無謀だったかと」
「……まぁ、仕方ないわね。はぁ……休憩したら次に行くわよ」
「……今回だけで、銅リンゴがほとんど溶けたんだけど……」
疲労感を隠せない声で呟いたオオガミの言葉を、聞いている人はほとんどいないのだった。
なんだアレ。勝てる気しねぇ。そう思って、攻略サイトを泣きながら見に言ったら一発という(発狂