今日のカルデア   作:大神 龍

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日常
私、穀潰しじゃないかしら……(誰かこの女神に仕事を与えてやれ~)


「はっ……! 私、ここに来てから、完全にタダ飯喰らいなのだわ……!」

「別に良いんじゃねぇの~? 誰もそれに文句を言わないんだし、そもそも、いるだけのやつとか、ほとんどがその部類だぜ? ま、俺もその一人だけど。そこの金ぴかもな?」

 

 自分の現状に愕然とするエレシュキガルに、気にする必要はないと(おし)えるアンリ。

 しかし、例として選んだ相手が悪かった。

 

「ふん。(オレ)を貴様ら雑種ごときと一緒にするではないわ。貴様らの食っている菓子の材料を何処から調達していると思っている。ほとんどは(オレ)の宝物庫からだと知れ」

「おぉぅマジか。そりゃ知らなかったわ。オレより働いてんじゃん」

「当然だ。全ては(オレ)のめくるめくサンタライフの為……プレゼントのためには良い子にしているべきだろう?」

「お、おぅ……お前、なんか大変そうだな……」

「なに、これも余興よな。たまにはそういうのも良かろう。カルデア復活記念でもあるしな」

「へぇ……案外気配りってのは出来るんだな。てっきり出来ないもんだと思ってたわ」

「たわけ。出来ないのではない。しないのだ。あまり益にもならんし、何より(オレ)に似合わん。まぁ、するときはするがな」

「ふぅん? つまり、今はするときのわけか」

「まぁ、流石に貧相な食事ばかりでは、何よりも(オレ)の精神衛生上良くないからな」

「そういうもんか。あぁ、そうだ。良かったらで良いんだけどよ、こいつの仕事を割り当ててやってくれよ。そういうの得意だろ?」

「……ここの責任者は別だ。そっちに聞け」

「えぇ~? そういうところはやってくれないのかよ~……ちぇ。仕方ねぇか。ほれ、そこの女神様? さっさとマシュのところに行くぞ~」

「え、えぇ、分かったわ!」

 

 エレシュキガルは慌てて立ち上がり、机に足をぶつけ、椅子を倒す大災害。それを見て、ギルガメッシュもアンリも大笑いするのだった。

 

「うぅぅ……! 後で二人とも冥界の底まで送り込んでやるのだわ……!」

「ふははははは! この程度で冥界の底まで落とされるのとは、安いな冥界! ふははは!!」

「理不尽と無茶振りをするのはいつだって神様か! アッハハハ! もうこれ以上落ちても何も変わる気がしないけどな! ハハハハ!」

「くうぅぅ……! は、早くマシュのところに連れていくのだわ!」

「ふははは!! 良いぞ黒いの! さっさと連れて行け! とはいえ、それほど仕事もないだろうがな」

「まぁ、今のところ人手は足りてるしな。ま、行くだけ行ってきますよ~」

 

 そう言って、顔を真っ赤にして怒るエレシュキガルを連れて、アンリはマシュの元へと向かうのだった。




 そもそも役割らしい役割を持って動いているのが超少数派な気がする……

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