「はっ……新たなクリスマスの気配……!」
「ん? 私もか?」
「えっ……水着なのに特効なの? こんなくそ寒い……じゃなかった。コホン。肌に刺さるような気温ですのに?」
「本性がちょいちょい出るなぁ、この聖女サマ。別に無理して隠す必要もねぇだろうに」
「あら、別に本性を隠してなんていませんよ。ほほほ」
「お、おぅ、そうかい。こいつぁ面倒そうなことに首を突っ込んだ気がするなぁ……」
食堂で、首から次回のクリスマスイベント特効サーヴァントが書かれているカードを提げているアナスタシアを見て反応したのは、アルテラを筆頭として、エルバサ、マルタ、北斎の四人。
すると、四人に気付いたアナスタシアが近付いてくる。
「あら、四人とも特効なの?」
「あぁ、そんなところだ。というか、なぜそれを首から提げているんだ?」
「それは、マスターが提げておけと。特に意味はないらしいのだけど、一応四人の分もあるわ」
そう言って、カードを四枚取り出すアナスタシア。
それに対して四人は顔をしかめ、
「罰ゲームか何かか?」
「そんなつもりは無いけれど、皆で装備すれば連帯感出てる感じがすると思ったのだけど」
「連帯感よりも先に羞恥心が漏れ出そうではあるが……まぁ、仕方ない。私も提げるとしよう」
「ふむ。皆で同じ装備か。面白そうだな。うん。参加しよう」
「えぇ……流れ的に提げないといけない感じ? いえ、構いませんけども」
「なんでぇ、みんな提げるのか。ならおれも提げるしかないな。ほれ、寄越しな」
そう言って、四人はそれぞれ一枚ずつカードを貰い、首から提げる。
とはいえ、これは一体誰に向けて告知しているのだろうと疑問に思う四人。特効サーヴァントを集めたいのなら、直接召集をかければ良い筈だ。
「皆提げたかしら」
「あぁ、これで良いだろう?」
「うむ。完璧だな」
「うぅ……やっぱり、ちょっと恥ずかしいわ」
「別に気にするもんでもねぇだろ? ま、絵を描くにはちょいと邪魔だけどな」
そう言って、四人がカードを提げ終わったのを確認したアナスタシアは、さりげなくスマホと自撮り棒を取り出して四人が入るようにすると、
「写真を撮るわ。こっちを向いてくれるかしら」
「むっ……構わんが、唐突だな」
「写真とな。後で貰えるのだろうか?」
「これでかぁ……まぁ、別に良いか」
「それがスマホって奴かい。写真ってぇのも気になってたからな。良い機会だ。後で見せてくれ」
「えぇ、構わないわ」
そうしてそれぞれが承認したのを確認して、アナスタシアは写真を撮るのだった。
以外にもイベント特効サーヴァントをあんまり持ってなかった……というか、クラスかぶりが多かった……