「余の天下だな!!」
「本当にそうよねぇ……」
「メイン戦力だしねぇ。アタシを抜いた時は驚いたけどね」
「当たり前だよ。ネロをメイン戦力にするために、貯めていたオール種火も、今月分のオール種火も消えたからね。ついでにフォウ君もいくらか」
「おかげで最終再臨出来て、余は嬉しい!!」
上機嫌なネロに、疲れたような表情のエウリュアレ。苦笑いのドレイクがいて、オオガミはやり切った感を出していた。
「しっかし、昨日の今日でよくここまで育てられたねぇ…」
「いや、あと一回再臨すればよかっただけだから、種火さえあればすぐに再臨出来たんだよ」
「先輩……それで、私はいつになったらレベルマックスになるんですか?」
「…………マシュは、ほら。今のままでも十分に強いし……その……次くらいを目指して善処します……」
「どうしてマスターが押されてるのかしらねぇ……」
マシュにじっと見られ、思わず目を逸らすオオガミ。
それを見て、メディアが呆れたような声を出す。
「完全に気圧されてるんじゃけど。ウケるんじゃが」
「真顔で言っているから、そうは見えないんだけど」
「そりゃ、やっぱり編成から抜かれたしの……儂、次はいつ活躍できるんじゃ…?」
「僕も抜かれたんだから、同じさ。まぁ、茨城童子以外の敵を出来るだけ排除しようじゃないか。裏方でも、やれることはやっておくべきだろう?」
「そうじゃな……まさかメディアに場所を取られるとは思わなんだ……」
「コストの問題だから仕方ないさ。ほら、そこにエリザベートも倒れてるだろう?」
「…………もうこれ、儂ら帰っていいんじゃね?」
「……マスターの近くに魔物や狂人を寄せ付けないようにするのも僕らの役目だよ。ほら、エリザベートもノッブも、行くよ」
「嫌じゃあ~! 儂はしばらくここで休むんじゃあ~!」
「私は、また、放置……アイドルの座をネロに奪われたわ……い、いえ。まだ奪われたと決まったわけじゃないわ……私もまだ可能性はある…! それに賭けるのよ、エリザ!」
「お主、その自信はどこから出てくるのじゃ……」
「エリザは昔からこんな感じだよ」
エルキドゥはため息を吐きながらも、エリザベートを担ぎ上げて連れて行く。エリザベートも、担がれ易い様に体を動かしてエルキドゥに担がれる。
古参組である二人は、昔からこういう関係を続けてきたのかと思うほどに相手の扱いになれていた。
「それで、余は後どれくらいあのアーチャーと戦えばいいのだ? そろそろアーチャーの相手は嫌なのだが」
「当然の如く私並みに頑張りなさいよ」
「エウリュアレレベルとか、どれだけ疲れると思ってるのさ」
「分かっていて私を使うとか、いい度胸してるわね、マスター? 全力で悩殺してから蹴り飛ばすわよ?」
「回避不可だね!! 全力じゃん!!」
「そう言ってるでしょうが……」
「うむ。
「いや、正直明日になれば流石に変わるだろうから、今日さえ乗り切れば何とかなると思うよ」
「ふむ、そうか……では、残っているBPも少ない事だし、これが最後という事だな!!」
「うん。じゃあ、行こうか!」
「うむ!」
「あいよ!」
「面倒ねぇ…」
「任せてください、先輩!」
「戦うのは私ではないから、行く必要は無いと思うのだけど……」
そう言って、オオガミ達は本日最後の茨木童子を倒しに行くのだった。
はい。一日で頑張った方だと思います。フォウ君、消えたし。
まぁ、現実はネロは若干の攻撃と、フレンドへのバフ要員だったんですけどね。それでも30万以上の威力は出していたから、戦力ではありましたよ。