「はっ……マスターが強化されてる気配を感じる……!」
「なんてことを考えるんじゃエウリュアレ。それはダメじゃろ」
「マジでそれは正気じゃないですって。BBちゃんもドン引きですよ」
「吾も勘弁なのだが。いや、問題はないかもしれないが、巻き込まれると吾だけやられることになる……」
「我欲が強いなぁ……いや、オレは別に気にしないんだけどさ」
カルデアでいつものように休憩していたエウリュアレ達だったが、唐突に何かを受信したエウリュアレの言葉に、ノッブ達が反応する。
「それで、具体的にはどんな感じのパワーアップじゃ?」
「えぇ……ノッブそこ聞いちゃいます? 私、あんまり聞きたくないんですけど」
「いや、知らんと対策取れんし。まずは相手を知るところからじゃろ」
「なんで私がそこまで分かる前提で話すのよ」
「えっ、エウリュアレじゃし」
「そうですよ。センパイの事に関しては無駄に精度の良い関知能力あるんですし」
「そんな精度は高くないんだけど……というか、精度が高いって何よ」
「まぁ、こういうのは自覚無い奴が多いしな。儂知ってる」
「まぁ、そんなものですよね。分かってます分かってます」
「何を分かってるのよ……」
何故か優しい笑顔をしてくるノッブとBBにエウリュアレは困惑するが、なんとなく分かるような気もするので、強くは言い返せなかった。
「まぁ、なんとなくだけども、体力とか増えそうよ」
「うえぇ……体力とか、一番どうしようもないんじゃけどぉ……」
「対策のしようが無いじゃないですかぁ……私は逃げておきます」
「やっぱ吾だけ置いていかれるのでは……? 一緒に逃げていると思ったら吾だけ置いていかれるのでは……?」
「オレはまぁ、もう既にどうしようもないですし? 流石に速度で負ける気はしねぇけども、他の奴が出てきたら敗北確定ですし。アビーとか特に無理。速度関係ないじゃんアイツ」
「何の話をしてるの?」
エウリュアレの話を聞いて倒れているノッブ達の所へ現れるアビゲイル。
ノッブ達は飛び起きると、
「よしアビー! お主をマスター最終防衛ラインの要とする! まぁ、マスターが単体で暴れるとは思わないんじゃけどね!」
「えっ!? えっ!?」
「最終的に私たちも加担してると思うんですけど、それでも頑張ってくださいね!」
「えぇっ!? 私一人なの!?」
突然の展開に困惑するアビゲイルと、そんなアビゲイルにゴリ押して頷かせに行く悪人二人。
それはまるで、悪徳商法をされている少女のようだったと、後に他の面々は語るのだった。
遊びすぎて書くのがぼちぼち遅くなってきた……そろそろ日を跨ぎそう……