「とっても周回した気がするのだけど、まだやるの?」
「イベント終了まで終わらないんだよ周回は……正直もうリンゴが尽きるか時間が来るかだよ……」
「資源がどんどん減っていくな……もう残り少ないだろうに」
「なんでそれなのに回るのか。それがわからない……」
既に目標である100箱を超え、現在延長戦。残り三日でどれだけ伸ばすかが楽しみになっていた。
だが、それはあくまでもオオガミだけで、他の三人は、本気で容赦なく回るオオガミに頬を引きつらせていた。
「目標は終わったんだから、そろそろ休憩でも良いのではないか?」
「……まぁ、そうか……しゃあなし。他の終わってないクエストを終わらせようか。特にEXマッチ」
「ねぇ、それって、二人だけのやつよね。私たち、出るの?」
「いや、外宇宙パーティーで行こうかなって。だから、三人とも一時休憩かな」
「本当に?」
「本当だって。先に戻ってて。北斎さん探しに行ってくるから」
「え、えぇ、分かったのだわ。ちゃんと終わったら戻ってきてね!」
そう言って、オオガミと別れる三人は、顔を見合わせ少し考えた後、待機室へと戻る事にした。
* * *
「あぁ、いたいた。北斎さん、出番だよ」
「あん? 出番があるなんて聞いてなかったんだが……まぁ良いか。それで? おれだけかい?」
「いや、もう一人いるよ。カモン! アビー!」
突然叫んだオオガミに、北斎は首をかしげる。
すると、オオガミの近くに門が開き、飛び出てくるアビゲイル。
そして、アビゲイルはドヤ顔をしながら、
「呼ばれた気がしたのだけど!」
「呼んだしね! でも正直出てくるとは思ってなかったからちょっとビビってるけども」
「ほ、本当に出てくるたぁ思わなかった。監視してたのかってくらいのタイミングだな……それで、二人で行くのかい?」
完璧なタイミングで出てきたアビゲイルに若干ビビりつつも、このメンバーかを確認する北斎。
オオガミは頷くと、
「うん。まぁ、きっとすぐ終わるだろうから、そんな気張らなくても良いと思うよ。二人だけで8タッグ抜きです。レッツゴー!」
「なんだかよく分からないけど、頑張るわ!」
「よく分からないまま頑張れるってのはすげぇと思うんだが、まぁ、やれるだけの事はやるサ。任せな」
要するに、16人を倒せってことか。と思いつつ、北斎は筆を持ち、本当に何をするのか全く分かっていないアビゲイルは、とりあえず誰かを倒すんだな。くらいの軽い気持ちでオオガミについていくのだった。
趣味と実力を兼ねた趣味パで挑んだら勝ちゲーだったでござる。