クリスマスの準備よ(イブから既に始まってる気もするんじゃけどね)
「準備はどう?」
「飾りつけは、まぁ一通りってところじゃな。そっちはどうじゃ」
「こっちも大体終わったわ。というか、エウリュアレさんは何をしてるのよ……」
クリスマスの装飾をしているのは、カルデア待機メンバー。そのメンバーを取りまとめているのはエウリュアレだった。
「何よ……手伝おうとしたらこんなことをしろって言ってきたのはBBよ? まぁ、邪魔をするなって雰囲気があったけども……」
「エウリュアレさん、去年何をしたの?」
「何もしとらん筈なんじゃけどなぁ……うむ。何もしとらんかった」
「役立たずだったってこと?」
「そういう意味ではないんじゃけどねぇ……まぁ、儂としてはああやって巡回してもらってた方が楽なんじゃよ」
「難しいのね……何をしたのかしら……」
「あれはマスターが悪いって……うむ、詳細は言えんがな」
「とっても気になるわ……! どうして教えてくれないの!?」
「そりゃ、エウリュアレの視線が、言ったら殺すって訴えててのぅ……」
「……う、迂闊だったわ……」
にっこりと微笑むエウリュアレに、頬を引き吊らせるアビゲイル。
当然、気付いていたノッブは静かにその場を離れていた。
「よぅし。儂はチビ達を誘ってツリーの飾りつけに行くか~」
「わ、私も行きたいのだけど!? ジャックやバニヤンも行くんでしょ!?」
「そうじゃねぇ……まぁ、たぶんそうなるじゃろ。お主は~……生きて帰れたらじゃな」
「私死ぬの!?」
颯爽と逃げ去るノッブに助けを求めるも、既に遠くへ移動しているのだった。
そして、入れ替わるようにやって来たエウリュアレは、やはり怖いくらいの笑顔を浮かべていた。
「別に、何も無かったわよ。えぇ、何も。去年は、今年と同じように限界まで粘って、帰ってきたのが強制退去の数時間前だっただけで。強いて言うなら、マスターが帰ってこなかったくらいかしら」
「……マスターのせいなのね……というか、マスターらしいというかなんというか……強制退去の数時間前って……問題よね」
「まぁ、あのときは今ほど周回用の戦力が足りなかったのもあるし、仕方ないと思ってるわ。えぇ、許さないけど」
「それは、恨まれても仕方ないわよね……うん。仕方ないわ」
「えぇ、そんな感じよ。それと、私が巡回してるのは、単純に戦力外だからよ。去年もそうだったし」
「えぇ……不器用なの?」
「そういうことじゃないんだけどね。ただ、なんでか知らないけど遠ざけられたわ。不思議よね……」
「……まぁ、威厳だけはあるんだもの。仕方ないと思うわ」
「そんな威厳、別に要らないのだけど……」
「マスターのそばにずっといるんだもの。自然とそうなっても不思議じゃないと思うの」
「そういうものかしら……」
「えぇ、そうよ。じゃあ、私も行ってくるわね」
そう言って、アビゲイルはノッブのところへと向かうのだった。
まぁ、エウリュアレはうちでは性能バグ起こしてますし、是非もないですね。威厳たっぷりです。