「ふははははは!! 儂は負けんわぁ!」
「叔母上いつも通り理不尽なんだけど!」
「ふはは! 一騎討ちだノッブ!」
「あぁぁ!? センパイに落とされたぁ!?」
仲良く大乱闘をしている四人。
茶々が奈落行きになり、BBが吹っ飛んでから始まるオオガミとノッブの一騎討ち。
「うわははは! ピンクのボールごときに負ける儂ではない!」
「ふはは! こちとらおやつのために惑星救ったり壊したりする悪魔だぞ! 負けるわけないねぇ!」
「叔母上、爆弾の使い方がやらしいよ」
「ハンマーで彼方に飛ばされたんですけど……えげつなくないですか……?」
殴りあっているようで、投げ合いをしている二人。武器とはどこへ行ったのかと言わんがばかりだが、両者が危険域に入った瞬間に本気で殺しに行く両者。
一瞬の油断すら許されない緊迫した状況。その直後、
「助けてマスター!」
「不味い。私も巻き込まれたのだが。あれはマスター管轄だろう?」
「えっ、何々!?」
「貰ったぁ!!」
突然やって来たアビゲイルとスカディの方に意識を割かれたオオガミは、ノッブの一撃を回避できず、空の彼方へと吹き飛ばされた。
オオガミが本気で悔しがって頭を抱えたその瞬間、真横を通り抜けて壁に突き刺さる一本の矢。
振り向くと、何故かお怒りなエウリュアレがいた。
「アビー……スカディ……? 二人とも、覚悟は決まったかしら」
「ま、マスターを射ることはできない筈よ! だからマスターを盾にすればあんぜ――――」
ヒュッ! とオオガミの陰に隠れていたアビゲイルの耳元を通り抜けるエウリュアレの一矢。
アビゲイルとスカディは、震えながらオオガミを本格的に壁にする。
「ちょ、何をしたの!? なんであんなにエウリュアレがキレてるわけ!?」
「私たちがお菓子を食べてたら怒ったわ……!」
「全部食べただけなのに……! 全部食べただけなのに!」
「二度も言わなくても分かる! それは怒る! ところで今日のお菓子は何だったの!?」
「シュガーラスクよ。サクサクカリカリで美味しかったわ」
「よしエウリュアレ! 同じのを作るので手を打ってくれない!?」
「……まぁ、いいわ。それと交換よ」
エウリュアレが弓を下ろし、オオガミが立ち上がったところで、アビゲイルとスカディが目を輝かせながら、
「助かったわマスター!」
「うむ。ついでに私の分も頼む」
「……後でキアラさんに預けてくるか」
「それだけは止めて!?」
「おやつなしでもいいからそれ勘弁だ!」
「ほ、本気の懇願ですね……」
本気で悲鳴をあげる二人に、BBは苦笑いをするのだった。
そろそろ今日のお菓子ネタがない……