「ふぅ……一段落ってところかぁ……」
「リンゴは使うな。もう無くても最低限は回れるだろう」
「最終日前日までは温存しておくよ」
そう言って、客室で倒れているオオガミ。
孔明はそれを見てため息を吐くが、
「なぁ、私にアイスを買うQPをくれないか」
「えっ……もう無くなったの?」
「あぁ。振っても出てこない」
「アイスだけでそんなに消費できるわけ……」
「小さき子の分も買っていたからな。気付いたらすっからかんだ」
「あぁ……なら仕方ないかぁ……」
そう言って、オオガミは何故かマシュの管轄になっている自分の財布からQPをスカディに渡し、
「これが限界ですよ。これでやりくりしてね」
「うむ。頑張る」
すたすたと走り去るスカディを見送ると、孔明は呆れたような顔で、
「良かったのか?」
「ん~……まぁ、周回分の特別手当てということで」
「……その場合、私は無いのか?」
「孔明先生は……ゲームします?」
「……遊技場にあっただろうか……」
「行ってみて考えましょうか」
そう言って、オオガミと孔明は遊技場へ向かうのだった。
* * *
「ハッ……先輩が遊んでいる気配……!」
「なんでそんな敏感に察知してるのよ……」
なにかを感じ取ったマシュにため息を吐くエウリュアレ。
人の事を言えないだろう。という突っ込みを入れる者は誰もいなかった。
「というか、エウリュアレさんは何をしてるんですか?」
「いえ……何でかわからないのだけど、アナや
「何をしたというより、常にマスターと一緒にいるからじゃないですかね……」
「なんでそれだけで弄られるのよ……解せないわ」
「まぁ、本人は気付かないことが多いって言いますしね。他人から見ると面白いみたいです」
「ふぅん……あ、その窓拭き手伝う?」
「いえ、一応仕事なので……」
「そう……」
エウリュアレとしては、手持ち無沙汰なので手伝わせて欲しかったわけだが、マシュ相手にはあまり強く出れないので諦める。
「ん~……何かないかしら。やれること」
「そうですね……温泉とか、屋上庭園とかどうですか?」
「屋上庭園はもう行ったからいいわ。温泉……まぁ、温泉にしましょうか。そっちの方が良さそうだもの。一緒には入れる人はいるかしら……」
「アナスタシアさんや信長さん達を誘えば良いんじゃないでしょうか」
「そうねぇ……じゃあ、そうするわ。じゃあね」
「はい。また後で」
そう言って、エウリュアレはアナスタシア達を探しに行くのだった。
サボりに厳しいマシュ姐さん。