魔法少女イベントの始まりじゃぁぁ!!(さっさと探索するわよ~)
「ふははは! 一瞬で無意味に石が溶けたよチクショウ!」
「はいはい。じゃあさっさと探索するわよ~」
後ろで叫ぶオオガミを無視し、平然と号令をかけるエウリュアレ。
「あんなぁ……うち、こないな所へ呼び出されても、困るんやけど……ちょいと甘すぎる気がするわ。こういうんは、茨木の領分やない?」
「別に、気にする必要はないと思うの。それに、お菓子の国以外にもあるのよ? つまり、甘いところだけじゃないわ。きっと」
「まぁ、姉様がいるのなら、場所はあまり気にしませんが……ちょっと居心地が悪い気はします」
エウリュアレの言葉に反応したのは護法少女とアビゲイルとアナの三人。
バラキーは、到着と同時に駆け出していってしまったので、現在行方不明だ。
「まぁ、バラキーは後でアビーに探してもらうからいいとして、たぶんバラバラで行動するのはダメな気がするから、一緒に動くわよ。良いわね」
「ええよ。ちゃちゃっと片付けて、かるであに戻って終わりにしよか」
「えっと、私はバラキーを探せばいいのかしら……まぁ、頑張るわ」
「私はとりあえず姉様の護衛をしますね。マスターは自力で生き残れるでしょうし」
「信用されてるって解釈でいいの……?」
アナの言葉に反応するオオガミ。
それに対してエウリュアレため息を吐くと、
「なんで私がこんなことしてると思ってるの。アナの信用の前に、私の方を手伝いなさいよ」
「ご、ごめんごめん……なんだかんだエウリュアレが指揮してるから、やることあるのかと思って……」
「私よりも貴方の方が得意でしょ。で、どっちに行くの」
「ん~……じゃあ、向こうに行こうか」
「ん。分かったわ。じゃあそうしましょ。行くわよ~」
オオガミが適当に決めた方向に進み始めるエウリュアレ。護法少女はそれを見つつ、誰に聞くでもなく声を出す。
「わりと適当に決めるんやねぇ……もうちょい考えはったりはしないん?」
「大体いつもこんな感じだもの。深く気にしたら負けだわ」
「そうですね。特に、姉様とセットの時は本当に雑になるので。姉様がフォローにすぐ入れるのも、マスターが残念になっていく原因の一端かなぁ、と思ったりもします」
「ふぅん……難儀やねぇ……でもまぁ、こういうのもたまにはええなぁ。ほな、さっさと行こか。このままやと置いていかれてまうからね」
護法少女はそういってカラカラと笑いながら、先導するオオガミとエウリュアレの後ろを歩く。
そして、アビゲイルとアナは顔を見合わせたあと、すぐさま追いかけるのだった。
やばい、イベントやってて時間を忘れたせいで日を跨いだ……!