「そろそろイベントが終わりそうな気配がするわ」
「うん……でも、なんで私達、お茶会なんてしてるんだろう……」
「イリヤが捕まるから……」
「えっ、私のせいなの!?」
「ん、私は気にしない。イリヤがいるから」
「なんか美遊が重いんだけど……!」
ナーサリーのお茶会に参加している魔法少女三人組。
原因はといえば、昨日逃げている最中に突然現れたナーサリーにイリヤが捕まったのが原因だろう。
「ふふっ。イベントが終わったら、ようやくカルデアに正式にご招待ね。面白い人も、怖い人も、美味しいお菓子を作ってくれる人もいるのよ。私が案内してあげるわね」
「えぇ、よろしくお願いするわ」
「でも、マスターさんが案内してくれるかも……」
「大丈夫。マスターには私から言っておくわ。たぶん、大丈夫だと思うんだけど……」
「大丈夫じゃない可能性があるんですか……」
「いえ、マスターが根回しをしてくれないと、危ない人がいるから……」
「やっぱりカルデアって物騒なところなんじゃない!?」
「危ないのは一部だけよ。基本はいい人達だもの。でも、オモチャを作ってくれるノッブは、どちらかというと悪い人なのが欠点かしら……」
「オモチャを作るってことは、そのノッブって人は、ちょくちょく話に入ってくる技術部なんじゃない?」
「えぇ、その通りよ。他にもいるのだけど……なんか、人数が増えてて、私にはよく分からないわ」
「ふ、増えてるんだ……なんというか、ここに来てから驚きっぱなしで疲れてきたよ……」
「大丈夫。イリヤは私がちゃんと守るから」
「もしかして、私ってそんなに頼りないの……?」
妙に守ることを強調してくる美遊に、困ったような顔をするイリヤ。
とはいえ、美遊以外は苦笑いをするだけで、特に何も言わなかった。
「さて、マスターがここにたどり着く前にお茶会を終わりましょ。今は元気すぎるもの。もう少し落ち着いたら、またみんなでお茶会をしましょ。今度はマスターも一緒にね」
「えぇ。その時を楽しみにしてるわね」
「あ、えっと、ありがとうございました! 紅茶美味しかったよ!」
「ん。ごちそうさまでした」
そう言って、三人が席を立つ。すると、ナーサリーは思い出したように、
「あぁ、そうだ。三人とも、ちゃんと楽しんでいってね。恐れても、怯えても、楽しむ心はあれば、
ナーサリーがそう言うと同時に、周囲は霧に包まれ、晴れたときにはナーサリーも、お茶会をしていた場所もなくなって、イリヤが捕まった場所に戻ってきていた。
「……なんだったのかしら」
「サファイア。さっきのサーヴァントは……?」
「すいません美遊様。イリヤ様が捕まってからの記録が隠蔽されていて、解析できません……」
「ルビーちゃんも同じくです」
「そうなんだ……でも、たぶん大丈夫! すぐにまた会える気がするもん! だから……今はマスターさんから逃げるということで!」
そう言って、三人は特に行き先を決めずに走り出すのだった。
なんでナーサリーを謎キャラにしたのか。それは私にも分からんのです……