今日のカルデア   作:大神 龍

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バレンタイン2019 ボイス&レター・これくしょん!〜紫式部と7つの呪本〜
帰ったら何か出来てるんだけど!(地下大図書館ねぇ……)


「帰ってきたよカルデア!」

「地下室に大図書館ねぇ……ちょっと気になるし、私はしばらく籠るわね」

「エウリュアレさんが真っ先にいなくなったのだけど!?」

 

 カルデアに帰ってくるなり、新設されたという地下大図書館にやって来たオオガミ達。

 颯爽と本の群れに突撃していったエウリュアレに驚くアビゲイル。

 ちなみに、現在食堂ではイリヤ達の歓迎会の準備が行われている。にも関わらず、なぜオオガミ達がここにいるかと言えば、単純な話、邪魔だと追い出されたわけだ。

 なので、暇潰しを兼ねて、オオガミが二人を連れて地下大図書館へと向かったわけである。

 

「ま、マスター! 追わなくて良いの!?」

「いや……追わなくても歓迎会までには戻ってくるし……大丈夫じゃない?」

「なんて信頼感! でも若干投げやりな感じがするのだけど……!」

「いやいや、そんなまさか。というか、今回は様子見だよ。明日は歓迎会だし、その次から本気出す」

「それ、出さないやつだと思うのだけど……!」

 

 実際やる気がなさそうに見えるオオガミ。

 ただ、こんな残念そうな感じでも、毎度イベントを最後までこなしているので、なんとなく大丈夫な予感だけはする。

 そんな時だった。外から足音が聞こえ、直後、扉が開かれる。

 

「それで、ここが新しく出来た大図書館! 一体どこにこんな数の本が眠っていたかなんて、誰にも分からないのだけどね!」

「えっ、誰にも分からないのにあるの? 不気味じゃない?」

「よくある事よ。だってここは、絵本のように不思議なところ! 物語の中のよう! ジャバウォックの様に凶暴な怪物だって、眠りネズミのように怠惰な人だっているのよ!」

「す、凄い……何言ってるのか全然分かんないけど、なんか凄いことだけはわかった気がする……!」

「それ、つまり何も分かってないってことじゃない」

「おそらく、『不思議の国のアリス』の登場人物が主になっているのかと。ですので、会話を理解するには読んでおくのが最適かと」

「ありがとうサファイア。あとでイリヤと読んでみるね」

「お役に立てたのなら光栄です」

 

 そう言って、入ってきたのはナーサリーと魔法少女三人組。

 ただ、イリヤの手にルビーがいないのは、未だ技術部に囚われているからだろう。

 

「あ、マスターさん! マスターさんも見回りですか?」

「いや、次のイベント会場はここだから……というか、ここにいると襲撃されるよ?」

「大丈夫です。イリヤは私が守るので」

「大丈夫。私もいるもの。それに、今マスターの影に隠れている子が、そもそも私達に近付けさせないでしょ?」

 

 そう言って、クロエはオオガミの後ろに隠れているアビゲイルを指す。

 

「まぁ、イリヤに見付かると逃げられる気がするのはわかるけど、話さなきゃ始まらないわ。あなたもこっちに来なさいよ」

「……どうしよう、マスターさん……」

 

 クロエに言われたアビゲイルは困ったような顔をするが、オオガミはため息を吐き、

 

「こっちは大丈夫だから、行ってきて良いよ。そもそも、暇潰しで来たんだし。エウリュアレを探して一緒にいれば安全でしょ」

「……じゃあ、行ってくるわ」

 

 アビゲイルはそう言うと、イリヤ達のところへと向かうのだった。




 うぅん……礼装が欲しい……

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