「ということで! 魔法少女組の歓迎会を始めるよー! カンパーイ!」
「「「カンパーイ!」」」
そう言って始まる大宴会。
当然、今回の主賓であるイリヤ達三人組は、オオガミの隣という目立つところにいる。
「な、なんだろう……凄い場違い感あるよ……」
「私達の歓迎会なのに場違い感ってなによ……」
「なんとなくイリヤの気持ちが分かる。周りが大人ばっかりだから、威圧される感じ」
「大丈夫。私達もいるもの。気軽に楽しめば良いわ!」
緊張しているイリヤの隣にやって来たナーサリー。
「あ。お料理はとっても美味しいのよ。昨日のお菓子も、ここで作ったものだもの! 期待して良いわ!」
「あ! あの美味しいお菓子! でも、お菓子とご飯は別だよね……? 美味しいのかな……」
「食べればすぐ分かるわ!」
「わ~、楽しみ~……って、なにこの禍々しいたこ焼きは……!」
料理に引かれてテーブルに来たイリヤは、中央にさりげなく置かれている、周囲の料理とは明らかに違う雰囲気のたこ焼きに威圧される。
「あ~! マスター! またアビゲイルがたこ焼きを作ってるわ! なんで許可したの!」
「いつの間に焼いたんだアビー!」
「な、なんでバレたの!? そして、なんでエウリュアレさんは既に私を捕まえてるの!?」
「観念しなさい。逃がしはしないわ。全部あなたが食べるまでね」
「ぜ、全部!? いくつあると思ってるの!? いっぱい作ったのよ!?」
「BBいるんでしょ。手伝いなさい」
「は~い! 面白そうなので手伝いますね~! ではアビゲイルさん、諦めてタコパしましょう!」
「実質一人なのだけど!」
イリヤの目の前にあったたこ焼きがテーブルに飲まれるように消えていくのを見たあと、響いてくる悲鳴。
明らかに熱々だったので、そのダメージは言うまでもないだろう。
「……あのたこ焼きって、そんなに美味しくないの……?」
「いいえ、美味しいとか美味しくないとか、そんなレベルじゃないわ。あれはもう、危険物質よ。食べたら倒れちゃうもの」
「もう料理の域じゃない……! なんでそんなものが……!?」
「分からないわ。でも、あのたこ焼き以外は大丈夫なはずよ。このラザニアなんて、美味しさでこのチーズの様に伸びてからほっぺたが落ちちゃうわ!」
「そ、そんなに……?」
ナーサリーに勧められたラザニアを取り皿に取ると、そのままフォークで一口。
「お、美味しい……! とっても美味しい! 誰が作ったの!? 後でお礼を言わなきゃ!」
「それはたぶん、あの赤い外套の――――あれ、いなくなっちゃったわ。どこに行ったのかしら……」
「……赤い外套……? なんだろう、意図的に避けられてる気がする……」
「ん~……まぁ、 そのうち会えるわ。大丈夫よ」
「うん……」
そう言って、お礼を言うのは諦めて、美遊達が来るまで二人はそこで料理を楽しむのだった。
く、くそぅ……書く時間がなくてやりたいことが全部は出来なかった……! オオガミ君魔法少女変身回とかやりたかったのに……!
日も跨いじゃったし! ちくせうっ!