「……詰んだ」
「そうね。さっさとイベント終わらせて石集めに行くわよ」
魂が抜けかけているオオガミの首根っこを掴み、図書館まで引きずっていく。
「はぁ……まさかこの短期間で復刻コラボがあるとは思わないじゃん……去年の例を見れば、半年に一回ってくらいだったじゃん。おかしくない? もう少しあるでしょ普通」
「そうね。でも現実は見ての通りよ。さっさと石集めないと手遅れになるわ」
今にも死にそうなオオガミの言葉に適当に答えつつ、周回準備を整えて行く。
「本当にさぁ……どうやって当てろっていうんですか……前回めっちゃ溶かしたのに来なかったじゃないですか。何をしたっていうんですか全く」
「その少量で当てればいいのよ。大丈夫。何とかなるわ」
「……エウリュアレの加護を~……」
「別にいいけど、それをすると、他の女神が近づいてこなくなると思うのだけど」
「……今言ってから思ったんだけど、加護ついてなかったのか……」
「むしろなんでついてると思ったのよ」
「いや……配布を除いたら、最後に来たのはエレシュキガルなんだけど……つまり、新年入ってから新しい神様が来た憶えないんだけど」
「……気のせいじゃないかしら」
最近神性持ちがあまり来ないのはそれが原因なのかと思うオオガミ。しかし、エウリュアレが否定しているので違うのかと考え直す。
「普通に運が悪いのは貴方の問題じゃないの? だからほら、さっさと交換素材を終わらせて石を集めに行くわよ。正直これを逃したら次が来るかもわからないんだから」
「……やるとも。さっさと終わらせに行くよ」
「最初からそうしなさいって。ほら、周回要員は集めて置いたわよ」
「めっちゃ気が利く女神さまもそうなんだけど、エウリュアレに言われて素直に集まる皆もどうかと思うの」
「えぇ~!? お姉ちゃん、弟君が困ってるって聞いて急いで準備してきたのになんで怒られるんですか!?」
「本を読むのにも飽きてきたところだったからな。軽く運動をするのも良いかと思ったまでよ。そこの狐も同じものだろうさ」
「だぁれが狐ですかこの金ぴか! 私はマスターがお困りだと聞いたので馳せ参じただけですぅ~! 呼ばれてないなら来ないですって!!」
エウリュアレの号令で集まったメンバーに、ため息を吐くオオガミ。
エウリュアレも妙に満足げなのが何とも言えない気持ちになる。
「まぁいいや。んじゃ、全力で周回して素材交換が終わったらフリークエストだオラー!」
オオガミはそう叫んで、図書館の奥へと向かっていくのだった。
イリヤたちに使ったせいで色々と足りないんですけど。もう少し期間があると高をくくってたらこのざまですよ美遊に使い過ぎた……