「モニュメントはパス! レッツゴーフリクエ!」
「BB! さっさと行くわよ!」
「まさかの起用! ノッブも連れ回していいですか!」
「アーチャー要員で許可!」
「おっと。儂、理不尽に連行されるんじゃが」
「ようこそこちら側へ! 君はもっと戦線に駆り出されてもいいと思う! 英雄に仕立てあげようじゃないか!」
「今なら軍師もついてる。お買い得だぞ?」
「この二人から闇を感じるんじゃけど! パス出来ぬのかこれ!」
そう言って突撃していくオオガミ達。
そんなことが起こっているなど露知らず、平和に過ごしている者もいる。
* * *
「うむ。今日もやること無いな。赤い人に菓子でも作って貰うか」
「そうね! 何を作ってもらおうかしら!」
「甘いのがいいな! サクサクなのがいいな!」
「ではクッキーですね! エミヤさん! お願いします!」
「……なぜ吾の回りに集まってくるのか……」
厨房にいるエミヤのもとへと向かおうとしたバラキーの周囲を囲むように現れたナーサリー、ジャック、ジャンタの三人。
最近よく絡まれるようになったのだが、何故だろうと考えるバラキー。
バラキーはため息を吐きつつ、エミヤに近付くと、
「はぁ……赤い人。吾の分もだ」
「あぁ、分かっているとも。しかし、最近マスターが厨房に立つのをあまり見ていないが、知らないか?」
「……何故吾に聞く」
「いや何、知っているような気がしてな。だが、知らないとしても問題はない」
「……祭りなり周回なりであちらこちらへ行っているようだからな。今は確か、『がちゃ石』とやらを集めるためにBB達を連れ回している。吾は誘われてないがな」
「そうか……なら、次のイベントためか。なるほど。ありがとう。おまけをしておくとしよう」
「おまけ? おまけ……うむ! 良いものの気がする! 期待しているぞ、赤い人!」
そう言って、機嫌がよくなるバラキー。
そんなバラキーの周囲には依然として三人がおり、
「バラキーだけずるい!」
「私たちにはないのかしら!」
と、文句を言うナーサリーとジャック。
そんな二人を見たエミヤは、そのままジャンタにも視線を移すが、ジャンタは首を横に振りつつ、
「いや、私は別にこだわってませんけど……」
「吾は情報提供の代わりにおまけがつくのだから、何も無しにつくわけなかろう?」
「まぁ、そうだな。では、次のイベントが何か、調べてきてくれるか? 誰かが知っているだろう」
「分かったわ!」
「ナーサリーよりも先に調べるよ!」
そう言って、走り去っていく二人。
そんな二人を見送った三人は、
「汝は行かんのか?」
「私は知ってるので……」
「そうか。その上で抜け駆けしないのなら、吾は別に構わんが。それに、赤い人もどうせ分かっていて聞いたのだろう?」
「むっ。私は君が嫌がるかと思って提案したが……気にしないのであればそのまま渡してもよかっただろうか」
「何を言う。吾は鬼だぞ? そんな納得の出来ぬことをするのなら、奴らの菓子を残さず奪い、食ろうてくれるわ」
「なら、私の判断は間違っていなかったかな? まぁ、どのみち君の分は特別にしておくさ」
「うむ。楽しみにしているぞ」
そう言って、バラキーとジャンタは食堂の椅子に座るのだった。
強化クエストが増えたおかげでガチャ回数が増える……ふへへ……