「……マスターさん、生きてます?」
「死んでま~す」
教会の床に倒れ、動こうとしないオオガミ。
目が死んでいるのと、先ほどまであった石がすでに無くなっていることから、何があったかは明白だろう。
「あのあの、クエストをやればまた石が手に入ると思うんです! なので、もう少し頑張っても良いと思います!」
「……いや、もう十分頑張ったと思うの。まさかこれほどでないとは思わないじゃん……」
「そう言われても……どうしましょう?」
「えぇ~? マスターが意志消沈してるとか、聞いてないし。ちょっとBB。どうなってんの?」
「私が原因じゃないですし。メルトが全く来ないとか聞いてないですって。あんだけ私が握りつぶしまくったんですから、来てくれたっていいじゃないですか!」
「アンタが集めたってのが原因じゃない?」
「なんでですかー!!」
鈴鹿の言葉に不機嫌そうに頬を膨らませるBB。
「それで、どうすんの? 復活待つ? 無理矢理引き連れる?」
「無理矢理連れて行くのでもいいですけど、私、その場合お手伝いできませんよ?」
「そうですねぇ……私たちが連れ歩くと戦闘に支障が出ますし、エウリュアレさんに応援を頼みましょうか」
「BBが頼るなんて……」
「あれ、頼むの? アンタなら問答無用で呼び出しても不思議じゃないんだけど」
「あ、そうでしたね。じゃ、それで行きましょう。サモンエウリュアレさん!!」
そう言って問答無用の召喚をするBB。
直後、落ちてきたのは、
「あうっ!! あれ!? ここは何処!? 突然エウリュアレさんに袖を引かれたと思ったら!?」
「……強制召喚に生け贄を用意して回避するとは、さてはバグキャラになってますね?」
状況を理解できず困惑しているのはアビゲイル。
しかし、BBは気を取り直すと、
「じゃ、アビーさん。センパイを連れてきてください。傷心中で怠惰状態なので、無理矢理で大丈夫です!」
「え、えぇ~……」
「そんな嫌そうな顔しないでくださいって。別に戦ってくださいって言ってるわけじゃないんですし。石も呼符も集めなきゃなんですよ。ちゃんと連れてきてくださいね」
「ん~……分かったわ」
「BB先導とか、嫌な予感しかしないんですけど~」
「やっぱりマスターの説得してやる気を出してもらった方が良いんじゃない?」
「あら、なら、私が指揮を執ってもよろしいでしょうか?」
「「「絶対ダメ」」」
自然に入ってきたキアラの提案を即座に却下し、全員は教会を出て、ミッションを攻略しに行くのだった。
今は寄り道して精神療養中。出ない衝撃は想像の何倍も強かった……