「あ~……マスター? なんだか、おっそろしい事になってやがるじゃねぇの。つか、見知った奴等がほぼ全員集まったんじゃねぇか? そのうち殺されそうなくらいには危険地帯になっちまったなぁ……」
「何言ってるのロビンさん……ルルハワみたいにパシリじゃないんだから安心すればいいのに」
「いつまたパシリになってもおかしくない状況になったから言ってるんですけどね!?」
食堂の隅の方でそんなことを話しているオオガミとロビン。
クッキーをつまみつつ、不満そうなロビンに、オオガミは、
「まぁ、パシリの代役させられてるし、ロビンさんには回ってこないんじゃない?」
「いやいや、マスターをパシリにするって発想も十分おかしいって気付けよな?」
「そう? 別に気にしたことないけど。そんなもんじゃないの?」
「そんな訳あるか。明らかに異常だっつの。いやまぁ、パシリにされたいってわけじゃあ無いんだがな?」
「分かってるけど……でも、ほら。やっぱりサーヴァントと比べて戦闘力ないし、こういう陰ながら支えて行く立場でありたいなという気持ちがあってね?」
「いやいやいや。考え方がおかしいって。マスターは戦況を見極めて指示を出すのが役目であって、戦おうってのがおかしいんだって。まずマスターが戦わなくちゃいけないような状況を作らない様にサーヴァントがいるんだぜ?」
「そうそう。つまり、作家系サーヴァントとか、その中でも特にオレとか、特大級の外れサーヴァントって事だ。いや、まぁ、サーヴァントに対しても平気で殴り合えるマスターなら関係ないだろうけどな?」
二人の会話に平然と入り込んでくるアンリ。
あまりに唐突過ぎて困惑する二人。
だが、アンリは気付いた様子も無く、
「てか、ここの場合? 俺以外にも超優秀な方々が揃ってますし? もう余裕でしょ。俺の役目とか無くね? もう編成に組み込まれても一番後ろで寝てるだけとか、そもそも絆レベル最大だから編成にも組み込まれずカルデアで寝てるだけでいいんじゃね?」
「まぁ、アンリはそれでもいいと思うけど……ロビンさんは出るからね?」
「あれ? オレ、一回でも出たくないって言いましたっけ? いや、出来るなら他の方々に押し付けたいですけど? でも、呼ばれたら普通に手伝いますよオレは」
「ほら、アンリももうちょっと協力的になってよ」
「オイオイマスター。なんで矛先が大回転してんだよ。つか、別に協力してないわけじゃないだろ~? ただ、オレは戦闘したくないってだけで」
「いやオタク、そう言う所じゃねぇの? つか、キャスターでもねぇのに同列ってのはどうなんだソレ」
「お。いいぜいいぜ~? オレの最弱さ見せてやるよ。シミュレーションルーム行こうぜマスター。目に物見せてやらぁ」
「いや、なんで戦うんだよ」
「良いね。やってみようか」
「えっ、行くの? マジで? 正気かこいつら」
「行くよロビンさん」
「あ、やっぱオレなんすね。しゃあない。行くか」
そう言って、ロビンはオオガミとアンリの後ろをついて行くのだった。
珍しく男性しかいない。今までこんなことあっただろうか……?