「さて。ついに明日に迫ったイベントなのですが、今回は特攻サーヴァント編成でとりあえず行ってみようと思います」
「あら、私は編成されないの?」
「意外ね。私の時みたいに連れまわすと思ってたわ」
食堂の一角で、意外と言いたげな表情のメルトとエウリュアレ。
しかし、オオガミは首を傾げて、
「いや、メルトは連れて行くけど……エウリュアレも来たかった?」
「……特攻サーヴァント編成って何かしらね……」
「何となくそんな予感はしていたわ……別に嫌なわけではないし、構わないのだけどね」
「まぁ、貴女が良いならそれでいいわ。あぁ、別に私は行かないわよ。カルデアで大人しくしておくわ」
「そう? じゃあ、エウリュアレはお休みかな。それじゃ、編成を組みに行こうかな」
そう言った時だった。自然な様子でエウリュアレの隣に座った彼女は、
「やはり編成ですね。私も参りましょう」
「殺生院……」
確実にこれをやりたかっただけだろうという状況に、何とも言えない表情になる二人。
「で、何しに来たの?」
「いえ、次のイベントで私が特効だと聞いて、馳せ参じただけでございます。私、楽しみで楽しみで……うずいてしまいますわ」
「な、なんでこの人、突然こんなことを言い始めるの……」
「コイツのこれは平常運転じゃないかしら。何を言ってもどうしようもないと思うわ」
「そうね。私もどうしようもないと思ってるから、今日は部屋に帰るとするわ」
「そうね。私も帰りましょうか」
「……そういえば、最近広くしたベッドがいつもよりも狭いのって、気のせいじゃないよね」
「あらあら、マスター? 詳しくお聞かせ願ってもよろしいでしょうか?」
思い出したように言うオオガミの言葉に即座に反応するキアラ。
そんなオオガミを、満面の笑みを浮かべて、二人の女神は見捨てるのだった。
* * *
「それで、編成だったわよね。流れ的に、キアラは入れないとでしょうし、後は同じように特攻が入っているパールヴァティーと、お得なマシュも入れておきましょう。後は……特にいないから、バラキーでも入れておきましょう」
「あ、私は入れるのね。忘れるかと思っていたのだけど」
「まぁ、私もずっと入れられてた時があったし、同じ扱いにしておいた方が良いかなって」
「そんな気遣いいらないわ。それで、これでいいの?」
「そうねぇ……うん。このくらいで良いんじゃないかしら。たぶん私と同じ編成にすると思うわ」
「ふぅん……それなら、これでいいのね。はぁ、明日にはまた行かなきゃね」
「えぇ、頑張りなさい」
そう言って、二人は編成表を組み終えるのだった。
エウリュアレの編成は大体オオガミと一致する……こういうことをするから嫁って言われる……是非も無し。