「なんか、一気に行ける場所が増えたよね」
「そうですね……まぁ、のんびり進むのでしたら、端から全部試していくのがいいんじゃないでしょう?」
「長い道程になりそうですねぇ」
そう言って、のんびりと歩く三人。
「それにしても、こういうのって、いつも思うんだけど、絶対住みにくいよね」
「答えを分かっていても、かなり距離ありますからね……右へ左へ歩いて最奥まで行ってようやく下へ。しかも、そこからまたひたすら進んでようやく下へ、という構造ですからね……移動の面倒さは異常なくらいありますよね」
「流石に、これだけの距離がありますと、戻るだけで一苦労ですし、来るのが億劫になってしまいますね……」
「でもまぁ、転移できるなら関係ないのかな……でも、出来る人は限られてるからなぁ……」
「そうでございますね……おそらく、裏道の様なモノがあるのでしょう。もしくは霊体化をしているか……ただ、そうなるとあの御仁はどのように移動していらっしゃるのか……」
「そうですね……目を離した隙に逃げられていますし、すぐ追ってもいないという事は、やはり裏道なんでしょうか」
「ん~……普通に走ってる可能性もあるけどね。英霊並みの身体能力だったらだけど」
「どうなんでしょうか……」
「まぁ、今は情報不足です。もう少し情報を得てから考えるといたしましょう」
「……キアラさん、なんだかんだただの変態ではないんだよね……」
昨日からずっと雰囲気が違うキアラに、何とも言えない表情になるオオガミ。
キアラはそれに対して微笑むと、
「私も、時と場合位は弁えますよ。それに、頼れるサーヴァントの方が、マスターも好ましいでしょう?」
「そうだけど……まぁ、気にしないことにしておこう。それで、どっちに進もうか」
「そうでございますね……遠回りをするなら、こちらでよろしいでしょう。面白そうな予感がいたします」
「なるほど……じゃあ、そっちに行こうか」
「えっ。本当に遠回りをするんですか? 進まないんです?」
「そりゃあ、まぁ、うん。お宝探ししたいし」
「本音が出ましたね……いえ、まぁ、横道にそれたいのは分かりますけど、ここはやっぱり進んでおくべきかなって思うんですよ……」
「じゃあ、パールさんはどっちに行くか分かる?」
「……そうですね。遠回りになるかもしれませんが、進まなければわかりません。行ってみましょう」
「うん。じゃあそう言う事で、レッツゴー」
そう言って、三人は戸を開くのだった。
割と広くて終わらない……