「ん~……変な部屋が多いよね……広いだけじゃないし、ギャグテイストだし。強風の部屋は楽しかったね」
「屏風の部屋の蹴倒すのは中々楽しかったですけど……その後の箪笥の部屋は大変でしたね。まぁ、結局押し通りましたけど」
「押し通れるなら全然問題にならないね。うん。良き良き」
楽しそうに進むオオガミ達。とはいえ、進んでも進んでも続く部屋というものは、本当に前に進めているか不安になる。
当然オオガミも不安になっていたりするが、次の部屋はどのような部屋なのだろうかという期待の方が高いので、今の所心配はないのだが。
「しかし、三階も深そうだよねぇ……大体こういうのって、下に行けば行くほど深くなるからどんどん広くなっていくのが定石だし……まぁ、不思議のダンジョンみたいに、毎度地形が変動するとか言うえげつないしようじゃないし、何とかなるでしょ」
「楽観的ですね……いえ、今の所問題はないのでいいのですが」
「そう、でございますね……いえ、マスター。部屋数が多くなるという事は、罠も増えるという事でしょう。直接身を傷つけるようなものは少ないかと思いますが、精神的なモノはより多くなるかと。楽しむのも結構でございますが、一応警戒をしておいたほうがよろしいかと」
「んむむ……まぁ、これだけお酒の匂いが強いとね……アルコールって、毒判定なのかな……」
「過度な酒気は毒ですし、一応毒なのでは? 確か……羅生門では大丈夫だったのでは?」
「あ~……そう言えばそうだったような。という事は、一応酔っぱらう事は無いのかな……あれ、でもそれって、成人してお酒を飲んでも酔えないって事じゃ……?」
「マスターさんの耐性は、効力を安全域にまで抑える程度のモノでしょうし、おそらくは適度に酔うくらいのものではないでしょうか。まぁ、飲まないに越した事は無いのですけど」
「無理に飲む必要も無いでしょう。それに、それはあくまでも英霊と契約をしてのもの。この戦いが終わった頃には、消えているかもしれません。それほど心配する必要は無いかと」
「そうかなぁ……」
酒気が漂う廊下で、ひたすらに進む三人。
とはいえ、耐性があるのはオオガミだけで、他の二人は怪しい所だが。
「しかし、あんまり周回するような場所でもないね。本当に、ひたすら突き進んでるって感じ。終わりは5階層くらいかな?」
「こんな広い所を後2回も進むんですか……? 流石に疲れます……どこかで休憩したいですね」
「あまりこの階にいるのは得策ではないと思いますので、次の階層で休憩なさるのがよろしいかと」
「うぅむ……まぁ、次の階に行けるようになったら休憩にしようか」
そう言って、オオガミは不満そうなパールと、どこか楽しそうに微笑むキアラを連れて先へと進むのだった。
アンドロイドさんにはキツイイベント……読み込み長いなぁって思いつつ、でも素材がおいしいのでそこまで文句はないです。