『BB~~~チャンネル~~~!!!』
突然響く声。いつの間にかテレビが占領されており、そこには不適の笑みを浮かべたBBが映っていた。
それを見たノッブは、緑茶を飲み、
「おぅおぅ。中々無謀なことをしでかしたな、BB」
『ふっふっふ。そんな余裕の表情をしていていいんですかぁ? BBちゃん、本気出しちゃいますよぉ?』
「いやぁ……儂としては愉快じゃから問題無しなんじゃが、このカルデアにいる治安部隊舐めとらんか?」
『えっ。いや、あれです。さすがにあの二人もここまではこれないはずですし、大丈夫ですよ』
「神造兵器と誠の一文字を舐めてかかると痛い目見るぞ? 儂の経験談じゃ」
『いやいや……流石に無いです無いです。ここまで攻め込まれたらBBちゃん全力で困っちゃいますし』
そんな時だった。おそらくテレビの中から、何かを破壊する音が響く。
『見つけました!! エルキドゥさん! 土方さん!! やっちゃってください!!』
『全く、ここには問題児しかいないね』
『おぅ。任せておけ』
『え、ちょっと待ってください! スタジオに無断で乗り込んで来ちゃダメですってば!! というか、どうやってここを見つけ出したんですか!!』
『極秘事項です!!』
「…………まぁ、ここにやってきた時点で、回避の出来ない運命よな」
画面内で土方に取り押さえられ、エルキドゥの鎖によって拘束されたBBを見つつ、ノッブは呟いた。
「ふふふ。あの子、中々面白いわよね」
「明らかに無謀じゃけどな。もう少し防御を固めるべきじゃったな」
「それでもエルキドゥの探知能力は常軌を逸してるけどね」
「というか、なんでマシュさんも……?」
「後輩枠を奪おうとした罪から、たぶん何かする度に見つけ出されて叩かれる運命なんじゃよ」
「あぁ、なるほど。被るのは良くないですもんね」
「そうね。っていうか、何をするためにわざわざこんなことをしたのかしら」
「それもそうなんじゃけど……儂はそれ以上に背後が怖くて振り返りたくない」
「…………地獄のライブは近づいてきてるから覚悟を決めないとね……」
そもそも、ノッブたちが珍しくテレビに向いていた理由のほとんどはそこにあった。
背後であーでもないこーでもないと言い合っているのはネロとエリザベート。曰く、ライブをするのだそうだ。それのセッティング中とのことで、やる事も無いので何かしようとテレビをつけた瞬間の出来事なのだった。
と、そんなことを話していると、どうやら一段落したようだった。BBは拘束を解かれ、厳重注意を受けて、さも何もなかったかのようにやり直すらしい。
『さて、ノッブさん。私は貴方達が何か面白そうな物を作っている間、ずっとゲームを作っていたのです!!』
「いや、あの時の乗り物作りに混ざりたかったのならそういえばいいじゃろ……手は足りなかったんじゃし」
「そうなの? 結構間に合ってたように見えたけど」
「まぁ、BBなら手伝ってもらった方が得が多いはずじゃからな」
「なるほどね」
『何ですかそれ! 私、結構やることなくて持て余してたんですが! って、違う違う。私はそんなことを言うためにこんなことしたんじゃありません。とにかく! 貴女には私と戦って貰います!! なんか最近、めっちゃ強いって言われてるっぽいですし!!』
「買い被り過ぎじゃろ。ってか、今更思ったんじゃが、なんで会話出来てるんじゃ?」
『それはあれです。アレがあれで、こうなって通じてる感じです』
「……もしや、うちのBBはポンコツなのか?」
「吾は今日始めて見たから知らんぞ」
「むしろ、ここに来たサーヴァントでポンコツじゃないのなんて、少ないんじゃない?」
『ひどくないですか!? 私、ポンコツじゃないですから!! 素敵可愛い後輩系デビルヒロインですから!!』
「そんなこと言って、開幕マシュとエルキドゥと土方に捕縛された子に言われても説得無いんだけど……」
「エウリュアレだって、お菓子食べてるだけじゃしな」
「そうだぞ。吾の方がマシじゃ」
「お主が一番ひどいわ」
「ひぅっ!?」
未だにゲームの内容は明かされない。というか、もうなんとなくうやむやにしたい様に思えてきた。主にノッブたちが。
『むぅ……今からそっちに行きますから、待っててくださいね!?』
「お、ようやく来るか。なら、あやつらのライブの生け贄が増えそうじゃな」
「言い方が中々悪いわよねぇ……」
「吾は逃げるぞ。探すでない」
「逃がさないわよ?」
「い、いやじゃあああぁぁぁ!!!」
ついに増える最恐コンビのライブの生け贄ににやりと笑うノッブ。逃げ出そうとした茨木はエウリュアレに捕まり、逃げる事は許されないのだった。
その後、その休憩室には無数の屍が転がっていたらしい。
ドストレートにうちのカルデアの真実を解明するエウリュアレ。我がカルデアにポンコツ以外がいると何時から錯覚していた……?(エルキドゥと土方は除く)