「ただいま~」
「あら、無事に帰って来たんですね。どうでした? 私。強かったでしょう?」
「……カーマがいるじゃないですか!! なんでですかマスターさん!!」
帰って来るなり出迎えたカーマを見て、オオガミの襟をつかみ前後に振るパール。
揺られているオオガミは視線を逸らしつつ、
「いやぁ……ちょっと分かんないですねぇ……ただ、マシュに殺されたくはないんで逃げるとしますね~……」
「そうだね。確かにマシュ嬢は怒っていたよ。だから、今マスターを逃がすわけにはいかないんだ」
「……風紀委員長お久しぶりですぅ……前よりも強くなってません? 具体的には宝具レベルが一つ上がってません?」
「心当たり、あるだろう? 石が無くなっていたのはさっき確認してきたし」
「……さよならパールさん。強く生きて……」
「マスターさーん!?」
エルキドゥに連れ去られるオオガミ。
手を伸ばしつつも連れ去るのを本気で阻止しようとしていない辺り、オオガミに非がある事は分かっているらしい。
カーマはそんな三人を見て、楽しそうにオオガミについて行く。
* * *
「……気付いたら、サーヴァントが増えてるみたいね」
「そうですねぇ……また私たちと似たような顔のサーヴァントですよ……しかも愛の神ですって。私に喧嘩売ってるんでしょうか。BBちゃん、不満です」
「いや、お主は混沌じゃろ。愛の要素どこじゃ」
「ひ、酷い言われよう……泣いちゃいますよ?」
「……まぁ、そっちもだけど、あっちの黒い獣みたいなサーヴァントよ」
そう言って視線を向けると、そこにいるのはアタランテオルタ。
昼頃にエルキドゥが強化されたのと同じくらいの時間帯にやってきたサーヴァントだった。
「はぁ……またマシュが怒るわよ? どうするの?」
「まぁマスターなら大丈夫じゃろ。是非も無いよねっ!」
「センパイですし、エルキドゥさんに見つからなければ何とかなるんじゃないですか? 無駄にスペックは高いですし」
「……で、そのエルキドゥは?」
「ん~……儂は知らんよ」
そう言っていると、食堂の扉が開いてメルトが入ってくると、その後ろをエルキドゥに引きずられているオオガミが通る。
エウリュアレ達はそれを見て顔を見合わすと、
「……どこに行くと思う?」
「「監禁部屋」」
「じゃ、ちょっと見に行きましょうか」
「儂も行こう」
「私も行きますね」
そう言って、ついでとばかりに入って来たばかりのメルトを捕まえて、三人は連れて行かれるオオガミを追いかけるのだった。
不思議ですよねぇ……概念礼装狙ったらエルキドゥとアタランテオルタですよ……さて、アタランテオルタの略称どうしよう。このままだと長いから文字数が……
あ、完全体カーマは現状じゃ勝ち目ないんで放置です。知らんよあんなやつ。