今日のカルデア   作:大神 龍

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高難易度と相性が悪いみたい(多数相手には不利だから)

「……私じゃ、無理みたいね」

「まぁ、相性的にねぇ。頑張ればいけると思うけど、そこまでやる気は無いかな」

 

 若干大奥化しているオオガミのマイルームで、不満そうにするメルトに、困ったように笑うオオガミ。

 

「高難易度はキアラとカーマが最適みたいだもの。単体宝具には辛い所よね」

「貴女はさりげなく後ろにいたじゃない……」

「不思議よね……私、どう見ても有利になる要素が無いのだけど」

「アルターエゴに防御有利は取れるから……」

「……私はそんなに強くはないわよ。というか、宝具も有利全然取れないのだけど。女性しかいないもの」

 

 そう言って、複雑そうな顔をするエウリュアレ。

 メルトも不満そうな顔で、

 

「単体宝具が悪いっていうの?」

「いや、そう言うわけじゃないけど、相性の問題だから……全体宝具が相性がいいって言うよりも、キアラの全体強化解除が強いって話なんだけど……」

「あいつに負けるのはとっても不満なのだけど。納得いかないわ」

「別に負けてるわけじゃないと思うけど……適材適所。そんなに気にすることでもないと思うわ」

「そうね。でも、理解していても嫌なものは嫌よ」

「でもほら、メルトは代わりにキアラに倒せない敵を倒せるし。というか、単純な攻撃力だけならメルトの方が遥かに強いよ」

「そ、そう……それで、再戦は何時かしら」

「いや、だからやらないって」

 

 聞いているようで聞いていないメルトに、オオガミは苦笑いをする。

 すると、戸が勢いよく開き、

 

「ちょっと、どういうことですか! パールヴァティーへの嫌がらせの為に色々しようとしていたら、同じような顔が他にも――――って、ここにもいるんですか!?」

「……何この失礼なの。蹴って良いかしら」

「時々メルトがめちゃくちゃ暴力的になる……シミュレーションルーム行く?」

「最初からこんなじゃなかったかしら……」

 

 カーマの言葉を聞くなり素早く蹴りの体勢に入るメルトを止めながら、オオガミはカーマに続きを促す。

 

「えっと、何の用?」

「あぁ、そうでした。このままだと私によるパールヴァティーへの嫌がらせの効果が半減しちゃうって事です。似たような顔がたくさんいたら効果が分散しちゃうじゃないですか」

「いや……どうかなぁ……パールさんじゃない誰かに一点集中しそうな雰囲気あるけど……」

「まぁ、そうよね。その顔なら、BBがまず疑われた後に容赦なく粛清されるわ。見た目と雰囲気がそっくりだもの」

「結局パールヴァティーにはダメージないって事じゃないですか。くっ……なんでこううまくいかないんですか……!!」

「ん~……まぁ、BBがいつも暴れまわってるからなぁ……パールさんに被害が出るのだとしたら、たぶん既に出てると思うんだよねぇ……」

「……ちょっと今パールがどう思われてるか聞いて来ます。ただでさえも嫌いですけど、これで好感度が高かったらさらに嫌いになりますけど」

「あ~……うん。ちょっと気になってきた。頑張って」

 

 パールへの嫌がらせをするために、そもそもパールへの印象がどうなのかを調査しに行くカーマを、オオガミは笑顔で送り出すのだった。




 推しキャラだからって、そのキャラで何でも攻略しないといけないわけじゃないと思うんだ……

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