「ふ、ふふふ……行くぞ茶々ぁ!!」
「そこまで本気になる必要ないでしょう……?」
「あれ、ノッブは何処に行きました?」
「ダビデ印のコーヒー牛乳を飲んで腹を壊して帰ったわ」
「正気ですかあの戦国武将!! いい加減学習したらどうです!?」
去年から何も学習してないなと嘆くBBを横目に、発狂しながら周回に向かうオオガミ。
のんびりという雰囲気は何処へ飛んでいったのかと思うが、今の所リンゴを使っていないのでセーフだろう。
「それはそれとして、普通に強くて手に負えないのよね……どうしましょうか」
「いい加減舐めてかかるのを止めたらいいんじゃない?」
「礼装縛りを止めろって事ですか。じゃあ礼装のレベル上げをどこでやれば……!!」
「いや、知らないわよ……どうせすぐに新しいイベントが来るんだから、その時を待てばいいでしょ」
「というか、大体使うの固定でしょ。育ててもあまり使わないじゃない」
「つ、使う時があったら困るでしょ……!!」
「使わないような気がするんだけど……」
「これは何を言っても聞きそうにないわよね……」
だんだんと周回で負けそうになっているのにもかかわらず、礼装が回復できるようなものではない為、ぎりぎりの状況が続いている。
だが、オオガミは礼装を変えるつもりも無いようで、
「とりあえず、本当に負けたら考えるとしよう……か、勝てるのなら問題ないし」
「勝てなくなったら諦めなさいよ」
「アルターエゴでも厳しい時はあるのよ」
「バーサーカーは誰でも無理だから……」
現状、事故を起こす原因はバーサーカーがほとんどなので、そろそろアビーを呼び出さなければならないなと思った時だった。
「呼ばれた気がしてやって来たわマスター!! 誰を倒せばいいのかしら!!」
「思っただけで飛んできたよこの娘!!」
「アビーのストーカー力も上がったわね……」
「いえ、待って? 思考するだけで飛んでくるの? 流石に恐ろしいものがあるのだけど?」
「前は呟いただけで飛んできたんだけどね。ついに考えただけで飛んでくるようになったわ。えぇ、私にはそんなこと出来ないけれどね」
「いえ、エウリュアレさんは四六時中一緒にいるので飛んでくる必要が無いから会得してないんだと思います。代わりにどんな時でもセンパイの位置を把握してるじゃないですか」
「そ、そこまでじゃないわよ……」
BBに言われ、視線を逸らしながら言うエウリュアレだったが、説得力は皆無だった。
「……なんだか、変なメンバーね」
「その中に貴女もいるっていうのを忘れないでねメルト」
「……」
エウリュアレに言われ、遠い目になるメルトなのだった。
アビーの異常性が成長していく……こんな特性を付けたのは誰なのか……あの清楚可愛いアビーは何処へ行ってしまったのか……あれ、最初からなかったような……?