「凄いよ……七本槍の誰にも会えない……」
「そりゃサボったら会えないわよ。さっさと英霊兵を倒しに行くわよ」
そう言って、オオガミを引きずっていくエウリュアレ。
メルトはそれを見つつ、
「なんだか、この光景を見慣れてきている私がいるわ」
「あらあら。メルトも染まってきてるみたいですねぇ? ふふふ……これで残念組に一名追加ですね……!!」
「ねぇBBさん? その残念組って、誰が入っているのかしら?」
メルトに囁いたBBに、アビゲイルが満面の笑みで聞く。
「ふふん。決まってるじゃないですか! センパイにエウリュアレさん、ノッブにアビーさんですとも! 最近はカーマさんとメルトも候補ですね!」
「そう……私はもう入ってるのね。でも、一人足りないと思うの」
「そうですか? ちゃんと全員いると思うんですけど」
「筆頭がいないわ。えぇ、そう。BBさんが入って無いわ!」
「何言ってるんですか。BBちゃんはパーフェクトなので残念要素皆無です~! 残念でした~!」
「そう言うところがBBさんのダメな所だと思うわ!!」
「うわっ、ちょ、何をするんですか止めてくださいぃいや~!!」
BBに飛びかかるアビゲイル。
逃げる間もなく両手足を触手に拘束されたBBは、迫り来るアビゲイルを悲鳴を上げながら見ている事しかできないのだった。
メルトはその様子を眺めながら、
「……加勢しようかしら」
「メルトはこっちよ」
「あの二人に付き合っていい事は無いしね。いや、どっちかっていうと、BBに付き合っていい事は無い感じかな。アビーは暴走して無ければ可愛いだけだよ」
「そ、そうなの……というか、周回に行くんじゃなかったの?」
加勢しようかと悩んでいたメルトに声をかけるオオガミとエウリュアレ。
メルトは話を聞きつつ、周回に行くはずだったろうと首を傾げつつ聞くと、
「あぁ、そうそう。周回ね。だからメルトを呼びに来たよ」
「……いい加減、後方に回したらどうかしら」
「キャスター相手にメルトを出さない理由は無いから。ほら、行くよ」
「ちなみに拒否権は無いわ。だって、私の時も無かったもの」
「そう……まぁ、もとより断るつもりも無いからいいのだけど。あの二人は放置でいいの?」
「そのうち疲れて帰って来るでしょ。それまではいいかな」
「雑ね」
「いつもこんな感じだよ」
そう言って、オオガミ達はアビゲイルとBBを放置して周回へと向かう。
それからしばらく、帝都でチビノブ達の悲鳴が聞こえたとか聞こえないとか。
書きながらようやく一か所解放した私です。終わる気がしないんですが。最終日にリンゴ食べながら周回している様子が容易に想像できる不思議……
そして、さりげなくこの帝都で忘れ去られているライダーが一人いることにお気づきでしょうか……どこに行ったんだろう……