「うん。無理だねこれは」
「早めにやっておかないからこうなるのよ……アビー。リンゴを用意してもらえるかしら。あと、ついでに巌窟王とスカディもお願いね」
「えぇ。そう言われると思って、あらかじめ用意していたわ!」
そう言うアビゲイルの手には、いくつものリンゴが乗っていた。
その後ろには、スカディがいて、
「あぁ……結局こうなってしまうのか……私は嫌だと言っていたのに……そうだ。孔明とやらが代理でも良いのではないか……? 別に私にこだわる必要はなかろう……!」
「クハハハハハ!! オレを呼んだな!? では行こうではないか共犯者よ!」
と叫ぶ、スカディとは真逆の、テンションが高い巌窟王がいた。
「スゴいね。見事なまでに真逆。それとスカディ様。残念だけど、クイックはスカディ様しか出来ないから、代理はいないよ」
「なんだと!? で、では……私は周回から逃げられないのか……!?」
「御愁傷様。でも、正直スキルを使って見ているだけなんだから、そんなに辛いものでもないと思うけど?」
「お前達には分かるまい……スキルだけでも神経を削るのだ……ずっと使い続けていると、結構疲れるのだぞ!?」
「そう……大変なのね。私には分からないけど」
エウリュアレがそう言うと、スカディは少し考え、
「そうだな……お前にも伝わるように言うのだとしたら……エルキドゥがこちらをじっと見てきているくらいには精神をすり減らす」
「めちゃめちゃ疲れるじゃない」
「ちょっとセンパイ。もっとスカディさんを労ってくださいよ」
「エルキドゥさんにじっと見られてるなんて……なんだか悪い子とをしてしまったんじゃないかって不安になるもの……とっても疲れるわ……」
「とんでもない手のひら返しを見た」
さっきまでの態度はなんだったのかと思うくらいにスカディに優しくなるエウリュアレ達。
ちゃっかり混ざっているBBは、おそらく周回に参加したいのだと思われるので、後で容赦なく振り回すことに決めたオオガミ。
だが、それはそれとして、
「残念ながら、代わりになれるのはいないので、それでも出撃です」
「な、なぜだ……これならば行けるとマーリンとやらが言っていたのに……」
そう言ってその場に崩れ落ちるスカディ。
だが、その言葉にオオガミとエウリュアレは反応し、
「ほぅ? その話、詳しく聞かせてくれる?」
「あの男、また変な事を吹き込んでいるみたいね。一度くらい痛い目を見せてもいいかもしれないわ」
「センパイ。自重は無しですよ。全力で叩いて、そして周回メンバー入りです」
「次のイベントでは孔明先生は強制だからね……マーリンも一緒に来てもらうとしようか」
そう言って、不気味に笑うオオガミ達に、スカディは嫌な予感を隠せないでいるのだった。
帝都をリンゴ無しで攻略とか、無理があったんだ……うごご……
ノブノブ系統は全部終わってるから3ターンパーティに変更しても問題無し……待ってろ茶々。絶対そこに行くからなッ!