管制室が大混乱なのだけど(さっさと情報を開示しなさいBB)
「BB。うちのバカマスターはどこに行ったのかしら」
「さっさと教えなさい。でないと切り刻むわよ」
「きゃあぁぁ!! 防護壁を新調したばかりなのにぃ!?」
イベントが始まって数刻もしないで工房のドアが破壊され、エウリュアレ達が乗り込んでくる。
先日の帝都でのやりとりから、急造でいくつか追加しておいた防護壁は、メルトの一撃で全て突破されたらしい。
「ちょ、エウリュアレさんがいるんだから、普通に入ってきてくださいよ!! わざわざ破壊しないでください!!」
「あら、耐久実験を手伝ってあげただけなのだけど。だって、私対策として作るつもりだったんでしょう?」
「そうですけど、そうじゃないです!! 仮組みを壊されたんですよ!」
「そう。じゃあ良いじゃない。どっちみちすぐ壊されるんだもの。遅かれ早かれ同じことよ」
「納得いきませんよ!?」
そんな風にメルトとBBの言い合いが始まるが、エウリュアレはその様子を少し静観したあと、
「BB。私はマスターがどこに飛ばされたのかを聞きに来ただけなのだけど。ちゃんとわかっているのよね?」
「っ……今やってたところです。覗き見をするにも、準備が必要なんです。管制室に気付かれない様にプログラムを走らせるチキンレースをしてるんですから、邪魔をしないでくださいよ」
「ちなみに、防護壁のいくつかには情報遮断の効果があるのもあったんじゃけど、ものの見事に破壊されてるし、BBが嘆くのも是非も無いよねっ!」
「笑い事じゃないですから! 後でノッブも修理を手伝うんですからね!!」
「えぇ~……儂が壊したんじゃないんじゃけどぉ~……」
「分かってて見送ったのは知ってますからね!」
「チッ……バレとったか……まぁ、是非も無し。任せておけ。儂が完璧に修復してやろう」
「えぇ、任せましたよ。こっちは覗き見できるように先輩の存在証明情報をひっそりコピーするので忙しいんですから」
「おぅ。頑張れ~。早めに終わらさんと、待っとる二人が暴れ出すからな~」
「妙なタイムリミットを残していかないでください……!!」
不穏な言葉を言い残して去って行くノッブに文句を言うBB。
しかし、後ろにいるエウリュアレとメルトの不気味なほどの笑顔が見えた瞬間、頬を引きつらせてモニターに向き直り、
「くぅ……どうして私がこんな目に遭うんですかぁ……!!」
「日頃の行いじゃないかしら」
ボソリと呟いた言葉に対して、メルトから中々に鋭い突っ込みを受けたBBは、しくしくと静かに泣きながら作業を続けるのだった。
現在はのんびりやってます。さて、どこで林檎を使う事になるか……