「さて。結局、連絡が取れないみたいだけど、どうするの?」
「いやぁ……トランクが無かったらどうしようもなかったけど、あるんなら何とかなるって。これがあるならBBが探知してると思うしね。問題は、一方的にしか伝わらないって事かな」
「そうね。普通に呼んだら、通信機を持ってこれないものね……」
「問題は、こっちの音声が通じてるかよね」
「BBならやるでしょ。そう言うところは信じているわ」
のんびりとパッチワークを巡りながらそんなことを話す三人。
その後ろに、
「……意外と、慣れてきたものだな」
「拙は、師匠が呼ばれる度に逃げ出していたと聞いていたのですが……そのような事は無いようで安心しました」
最近、あまり逃げ出さなくなってきた孔明と、その長い髪を見ながら歩くグレイ。
時々オオガミ達から向けられる視線を鬱陶しそうにしているのは、変な気恥しさもあるのだろうか。
「しかし、孔明先生が私生活がポンコツって言うのは知らなかった……面白そうだから一回部屋を監視してみよう」
「止めろマスター。そんなことをしたら、しばらくどこかに監禁することになるが構わないな?」
「おっと。これ以上は触れない方が身のためみたいだ」
「自分で地雷を踏んだんだから、私は助けないわよ」
「その時はBBが監視できるようにしてるでしょうし、そこで見てることにしておくわ」
「二人とも助けるって選択肢はないんだね? チクショウ現実は残酷だっ」
変なちょっかいをかけようものなら封印をしてきそうな雰囲気を出している孔明に、オオガミは頬を引きつらせながら前を向く。
「全く……変な事を言うからそう言う事になるのよ。というか、貴方も時々そんなことになってるでしょ」
「えっ……いや……そんな……」
「たまに私やエウリュアレ、マシュが起こしているわよね……」
「今度起きなかったら、別の方向で攻めてみましょうか……」
「普通に起こすだけじゃ芸が無いものね。蹴って起こしてみようかしら」
「それは前やってたよね?」
「あら。アレは膝よ。蹴るんだから、上から下に真っ直ぐよ」
「逃げられないように全力か……!!」
「結局、避けるないじゃない……問題ないでしょ?」
「寝起きで死の危険を感じたくはない……」
「大丈夫。殺さない程度に加減はしておくわ」
「それでも大怪我する可能性を提示されて嬉しいとでも思ったか……!!」
「あら、いつも通りじゃないの?」
「いつも挑発するくせに、よく言うわ」
「そんな挑発してないけどね……?」
そう言いながら進む三人を見ながら、
「師匠。あれは、いつも通りなんですか……?」
「認めたくないが、事実だな。大体いつもあんなやり取りをしている」
「そうなんですか……」
そう言って、グレイはオオガミ達を見るのだった。
グレイさんの口調を掴めず扱いに困っている私……とりあえず、原作を買ってくるまで放置しかない……うごご……