「ふっ……太陽の加護がない太陽の剣なんて、私の敵じゃないわ」
「一撃で倒すのね……なんだか、不憫に思えるくらいに」
「ふ、ふふふ……6章の恨みは晴らした……いや、正直6章は個人的に聖槍の方がトラウマだけども」
6章の頃のトラウマを思い出しつつ、なんだかんだその全てを正面から殴り倒した事に喜びを覚えるオオガミ。
当然、6章当時においてMVPを取ったのはエウリュアレであった。
「それで? 大体のクエストは終わったけど、どうするの?」
「そりゃ、期限までのんびりクエスト消化でしょ。さっさとやっていくよ」
「今回は案外簡単に進むわね。リンゴもそんなに使ってないし」
「……正直使いたいけどね。たぶん、後半戦で全力を出すから……」
「あぁ……」
遠い目をするオオガミに、何かを理解するエウリュアレ。
メルトだけはその状況になったことが無いので、首を傾げる。
そして、そのさらに後ろでは、孔明が頭を抱え、
「これは……採集決戦の予感がする……あぁ、これはスカディかマーリンを呼ぶしかあるまい」
「師匠……採集決戦はそんなに苦しいのですか?」
「あぁ……終わるまでスキルを使い続け、宝具を放ち、戦闘終了間もなく次の戦闘が始まる……連戦と変わらんからな。利点といえば、効率化された結果として受けるダメージが少なく済む、と言った所か」
「なるほど……けど、怪我を負わず、スキルを使うだけなのでしたら、それほど辛くはないのでは……? たしか、カルデアからのバックアップがあると言っていた気がするのですが」
「あぁ、言ったとも。だがな……精神的なものはあるんだ。ボックスイベントはひたすらに雑魚を始末する作業だったが、採集決戦は違う。平行世界線のマスター達と、獲物を貪りあう狂気のイベント……数時間後には、ただの残骸しか残らないと言われている……かの魔神王ですら、瞬く間に貪り尽くされたと聞く……」
「それを聞いたら、拙は、どちらが悪なのか検討もつかないのですが……本当に大丈夫なのでしょうか……」 「なに、気負うことはないさレディ。なんせ苦しむのは主に私みたいな、NPの配布、攻撃力の底上げ、バフ・デバフ宝具の持ち主だからな……義妹が来ていたのなら、おそらく同じ目にあっただろうが……なに、来なければ同じ目にあうことはなかろう」
「師匠……」
そう言って、遠い目をする孔明をなんとも言えない表情で見るグレイ。
だが、悲しいかな。孔明は採集決戦に初参加。真の地獄を知らない者なのだ。
だからこそ、オオガミとエウリュアレの視線に気付くことはないのだった。
令和になろうとも何も変わらないこのメンバー……しかし、採集決戦仕様とは……孔明先生過労死しちゃう……本当に死んじゃう……
ちなみに私は太陽ゴリラよりもロンゴミニアドに爆砕されたマスターなので、無敵貫通全体宝具はめちゃくちゃ恨んでます。許さんからな槍トリア。