「ひゃっはぁ!! 魔神柱狩りじゃオラァ!!」
「彼、わざわざ蘇ってまでミンチにされに来るなんて、凄い変態ね」
「でも、私の出番はないみたいね」
そう言って、遠い目をするメルトは、目の前で泣きながら宝具を撃ち続けるイリヤを見る。
孔明によってブーストをかけられたイリヤによる砲撃は、一撃で魔神柱をへし折っていく。
「想像以上に強いわね……」
「私たち、後ろで見てるだけなのよね……」
「突撃してもいいんじゃない?」
「あら。じゃあ、行ってみましょうか」
「いやいやいや。ちょっと待って二人ともっ!」
突然意気揚々と突撃していこうとするエウリュアレとメルトを引き留めるオオガミ。
止められた二人はキョトンとした顔で、
「いや、だって、私たち、いなくても大丈夫でしょ?」
「そうよ。戦力なら別だけど、後ろにいるだけなら遊んでても良いでしょ?」
「だからって魔神柱に突撃していくのはどうなんですかね……!?」
「だって、ちょっとちょっかいかけるだけよ? 無理そうだったらすぐ逃げるし」
「えぇ。ちょっと攻撃して、怒らせるのが目的よ」
「ちょっと待って。明らかに挑発しにいくってことだよね!?」
「「えぇ、もちろん」」
微笑む二人に、頬を引きつらせるオオガミ。
そして、硬直しているオオガミに、二人は、
「見てるだけじゃ面白くないもの。それに、ただ見ているのなら、もっと必死に頑張ってる方がいいじゃない?」
「えぇ。安定しているのとか、見ていて面白くないもの」
「「だから、相手に喝をいれてこようかと」」
「傍迷惑な話だね!?」
確かにかなり安定してるとはいえ、妨害をされても問題ないと言い切れるほどではない。
なので、オオガミはどうしたものかと考え、
「うん。止めるよりは突撃させた方が良いかもだし、いってらっしゃい! 無理だったら帰ってきてね!」
「あ。止めるのを諦めたわよこの男」
「じゃあ、遠慮なく戦場を引っ掻き回すわ。援護は任せたわよエウリュアレ」
「えぇ、もちろん。任せなさい、嫌がらせに関しては負けないわ」
「……敵に回したくないチームだなぁ……」
嫌がらせの女神と、ドSの女神による魔神柱イジメ。
一切の容赦なしに蹴って、膝を打ち込んで、踵で切り裂くメルトと、メルトを狙う魔神柱の攻撃を矢を射って絶妙に邪魔していくエウリュアレに、オオガミは頬を引きつらせる。
そして、その二人が魔神柱の意識を逸らしている間に、イリヤは着々と魔神柱を消し飛ばしていた。
「……まぁ、戦況に影響は無いっぽいし、帰ってきたら回復してあげるとしよう……」
そう言って、オオガミは魔神柱狩りに集中することにした。
おいしい……おいしい……そざいがおいしい……(亡者感
ちなみに、執筆完了時点で16体討伐……もっと狩らねばなるまい……