「よぉマスター。なんだかオレが酷い目に遭うような話をちょいと小耳にはさんだんだが、なんか知ってるか?」
「あぁ、ロビンさん。そりゃもちろん知ってますとも。次のルルハワが楽しみですね!」
食堂で食事をしていたオオガミの前に来て、質問しに来たロビンに笑顔で返すオオガミ。
何やらロビンの表情が引きつっているようにも思えるが、きっと気のせいだろう。
「な、なぁ……ルルハワって、アシスタント以外にって事か? 何をさせるつもりだよ?」
「えぇっと……去年のに加えて、ライブの裏方と、レクリエーションかな。大丈夫。刺激的な夏になることは確実だよ!」
「刺激的で済まないよな確実に!! 死ぬ気がするんですけどねぇ!?」
自分に降りかかるであろう災難を大雑把に予感しているロビン。
だが、オオガミはにっこりと笑っているだけで、詳細を話すつもりは無さそうだった。
そんな二人を見ていたエウリュアレは、
「大丈夫よ。死なないわ。死んだとしても骨は拾うもの。だから安心して。とっても楽しみにしているわ」
「マスターも大概だが、アンタも意外と信用できないんですよねぇ……何が不安って、マスター以上にいい笑顔って所がもう怖い。絶対貧乏くじ引いてるじゃないですかコレ。死なないとしても、きっと七日間を乗り越えたら干からびてるんじゃねぇか……?」
「あぁ、ロビンさんにはオマケで行っておくけど、ループが解けるまでやり続けるよ?」
「一大事じゃねぇか。何週間そのハードスケジュールで生きろってんだ」
「仕方ないじゃん。このスケジュール、ループ外の人を巻き込むから、何度もやるしかないんだよ」
「さ、最短で終わらせねぇとだ……流石に何週もしたら死ぬ……ってか、それはマスターも同じじゃねぇのか?」
「ふっふっふ。安心して。ちゃんとエウリュアレ以外の処置は出来るようにしてるから、耐えられなくなったらそれを起動する!」
「いや最初からそれでいいだろうが。なんで体力尽きるまでやるんだよ?」
「そりゃ、ある意味事前演習に近いものだからね……どうなるのかくらいは確認しておくべきだと思うの」
「あぁ……なるほどね。そりゃ確かに重要だわ。ってか、マスターは他にもなんかあるのかよ……最悪こっちよりもハードスケジュールなんじゃねぇのか?」
「そうですけど、何か? 今からルルハワの設計をBBから聞き出して去年の記憶を頼りにどういうステージを組むのかとか、ルールを作るとか、めちゃくちゃ大変ですけど? 死んじゃうので、今のうちに最大限の努力をしてルルハワで楽するんだコノヤロー」
「お、おぅ……その、なんだ。何かあったら手伝うから、呼んでくれよな」
「うん。後でね」
そう言って、去って行くロビン。
最後の方は何とも言えない表情をしていた気がするが、オオガミとしては割といつも通りの気分なので、あまり気にしてはいないのだった。
一周ごとの話を書けるわけも無いので、最終週の話だけをピックアップするか、初週の話をピックアップするのか。悩ましい所。アンケート機能を使ってみましょうかね……