「お久しぶりですマスターさん。最後にお呼ばれしたのは……去年のクリスマスでしたっけ。ずいぶん久しぶりなのでうまく戦えるか分かりませんけど、精一杯頑張りますね」
「うん。よろしくパールヴァティー。まぁ、たぶん1日だけだけどね」
丁寧に挨拶してくれるパールに、珍しくしっかりと答えるオオガミ。
そんなパールは、オオガミの後ろを見て、
「その~……スカディさん達は大丈夫ですか? なんか、目が死んでるような気もするんですが……」
「ふ、ふふふ……いや、大事ない。なに、少しばかり休憩していただけだ。そうであろう? 巌窟王」
「あぁ、そうだな。オレはこれで帰るのだが」
「な、なんだと!? どういう事だマスター! 私と巌窟王は私が終わるまでいると思っていたのだが!!」
そそくさと帰ろうとする巌窟王のマントを引っ張りながら抗議するスカディ。
「そんなわけないだろう。アタッカーは適材適所。オレは汎用的なだけで絶対と言うわけではない。敵がアーチャーとセイバーの時は特にだ」
「ゆ、許さん! なんだかそれは不公平だ!! 帰さんぞ!」
「何を言うか。そも、ランスロットが来れば奴以外は出なくなる確率が高い。ある意味奴が来るまでだ。オレにこだわる必要はないだろう」
「バカを言うな。ここまでほとんど一緒だったんだ。これからも引きずり回すに決まっているだろう。私だけが周回をさせられるとか勘弁だ!!」
「知らん! とにかくオレは帰る! だから早くその手を離せ!」
「い~や~だ~!! 絶対に離さない! このままここにいるか、もしくは私も連れていけ!」
マントから手を離させようとする巌窟王と、必死でしがみつくスカディ。
何も知らない人が見たらとんでもない状況のような気もするが、本人達は気づいている様子はない。
そして、ついに巌窟王はため息を吐くと、
「分かった。そこまで言うのならここにいよう。だが、編成には入らん。見ているだけだ。良いな?」
「うむ。それでいい。一人で休むとか、そんなズルいことはさせないからな」
そう言って、何故か得意気な表情になるスカディ。
それを見ていたパールヴァティーは、オオガミの隣に行くと、小声で、
「その、マスターさん。スカディさんって、あんな面倒な感じの人でしたっけ……?」
「いや、周回してたらだんだんとああなっていったよ」
「そ、そうですか……周回って、なんだか怖いですね……」
「本来はそんなに怖くないはずなんだけどねぇ……やっぱりお休みは重要だなって。まぁ、余裕があったらあんまり出てないサーヴァントだけで編成するのもありかなって」
「そうですね……そうしないと、スカディさんも辛いんじゃないですかね……孔明さんも辛そうでしたし。何時くらいを予定してるんです?」
「次の異聞帯突入時。なんとか勝てるといいんだけど……」
「えっと、頑張ってください。応援してますね」
「うん。ありがとう。じゃあ、スカディ様を連れて、周回行こうか……」
「はい。頑張りますね」
そう言って、オオガミはスカディに声をかけに行くのだった。
まぁ、弓兵が続くとは思えないので、明日はどうせ巌窟王……そして、スカディ様が私の中で日々残念美人になっていく……