「あら、もう終わりかしら。意外と短いのね」
「日替わりだからな。で、次はドラゴンか。これはスカディ案件だな」
つまらなそうなアナスタシアと、遠い目をする孔明。
そんな二人を見て、オオガミは、
「そうだねぇ……うん。お疲れ様。ちなみに孔明先生に言っておくと、スカディが絆マになったら孔明先生が絆マになるまで周回要員に変わるので。ついでに言うとそろそろスカディさんから絆礼装貰えそう」
「おいバカ止めろ! 冗談じゃないぞ!?」
衝撃の事実を聞かされ本気で嫌そうな顔をする孔明。
だが、オオガミは笑顔で手を振りつつ、
「とりあえず交代かな。お疲れ様~」
「えぇ。また呼んでちょうだい」
「まだスカディの絆レベルを上げ切るなよマスター!!」
アナスタシアは静かに、孔明は叫びながら帰っていき、それと入れ違いでスカディ達はやって来た。
「くっ……また呼び出しか……日替わり呼び出しは精神ダメージが大きい……せめて二日は休みたい……」
「はいはい。ハンティングクエストが終わったら休めるはずだから、それまで頑張って」
「なに、文句を言っているだけだ。それに、キッチリアイスを二つ食ってきているからな。報酬は十分だろう」
「なっ、それは言うなと言ったはずだが……!?」
驚愕の表情で固まるスカディに、ため息を吐く巌窟王。
なんだか巌窟王が保護者に見えてきたのだが、恐らくは気のせいではないのだろう。
「それで、今回はドラゴンか。また厄介なのを用意したものだ。体力によっては最悪こっちがやられるぞ」
「まぁ、なんとかなるでしょ。というか、代替要員いないので頑張ってもらうしかねぇです」
「だろうな。だが、それでも構わん。やれるだけのことはやるとしよう」
そう言って、準備をする巌窟王。
それを見てから、オオガミはスカディを見ると、
「な、なんだ? トカゲ風情に殺される私だと思うなよ? しっかりと逃げる準備はしてあるぞ」
「せめて抵抗してください。日に日に残念な人になってますよ?」
「なっ、なっ! 言ってはならんことを言ったな!? そういう奴はこうだっ! ていっ、ていっ!」
「あれっ、痛い。普通に痛い。ちょっと待って意外と力入れてないかなこの女神様! 普通にエウリュアレの蹴りよりも痛いんですが!」
だんだんと強くなる攻撃に、流石のオオガミも回避を始める。
ルーンを使っていないのだから本気ではないことは確かだが、それはそれとして力を入れているのも確かなことだった。
「しゅ、周回! 周回行きますよ! 憂さ晴らしはドラゴンにしてください!」
そう言って、オオガミはお怒り気味のスカディを連れながら周回へと向かうのだった。
そろそろスカディ様が礼装をくれるそうなので、どうしようか考え中。とりあえず孔明を代打ですかね?