「さて。とりあえず、ステージを建てられるくらいには倒したかな?」
「うっわぁ……こんなデケェ広場を制圧とか、こりゃとんでもねぇステージになりそうだ……」
「あれ。なんでロビンさんがまだ生きてるんでしょう……さっき殴ったと思ったんですけど」
「さっきのはやっぱりテメェかオラー!」
「やめてくださーい!」
キャメロットに乗り込み、大きい広場を制圧したオオガミ達。
さりげなくリップによって無き者にされかけていたロビンは、その事実に気付きリップを襲撃する。
そんな二人を横目に、ノッブとBBは、
「さてさて。儂の予想とほぼ変わらん広場じゃな。ライブ中はあの王の話マシーンに幻術を張ってもらって入場箇所を制限すればいいから、とりあえず仮組じゃな。BB。アヴィケブロンに連絡じゃ」
「はいはい。私は小間使いじゃないですよ~っと。あ、もしもし? 準備が出来たので、資材運搬お願いしま~す!」
そう言って、アヴィケブロンに連絡するBB。
ノッブはそれを聞いて、巌窟王に目を向けると、
「お主はレイシフト地点を聞いて、ここまで先導してくれ。設計の構想はあるが、実際とはちと違うからな。修正するから手が離せん。任せたぞ」
「了解した」
そう言って、BBにレイシフト地点を聞く巌窟王。
そして、最後にオオガミを見て、
「よし。マスターは防衛じゃな。ロビンとマーリンを連れていけ。まぁ、マーリンは後で借りるがな」
「うん。分かった。とりあえずロビンさんを回収してくるね」
「おぅ。任せたぞ~」
そう言ってオオガミを見送るノッブ。
BBが巌窟王に教え終わったのを確認すると、
「さて。では、ステージの再設計じゃ!」
そう言って、持ってきていた設計図を広げるのだった。
* * *
「ここら辺か……」
広場から少し離れた街道。直接広場に送った方が早い気もするが、資材が届き次第作り始めるようなので、もし場所ずれが起こったとき大惨事にならないように、ということだった。
そして、次の瞬間現れたのは、レイシフトの光ではなく、黒い門。
そこから、アヴィケブロンのゴーレムがどんどんやって来て、そのうちの一体のゴーレムが運ぶ長い木材の上に、少女が三人乗っていた。
「あら。片付いてるわね。着くなり騎士がいるのかもって思ってたけど、見る限りいないわね」
「つまらないわね。っていっても、どうせ建ててる間にわいてくるわよね。その時に蹴散らせばいいわね」
「私は資材の運搬が終わるまで門を開いてなきゃだから、あんまりここを動けないのだけど……」
「そうなの? じゃあ、終わるまではこっちね。メルトはどうする?」
「一度向こうに行って、場所だけ確認しようと思ってたのだけど……まぁ、最後のゴーレムについていけば良いわよね。えぇ、私も残るわ。BBを見ると、蹴りたくなっちゃうもの」
そう言って木材から降りる、エウリュアレ、メルト、アビゲイルの三人。
三人は巌窟王を見つけると、
「迎え……いえ、先導かしら。あっちのゴーレムが先頭だから、連れていってくれるかしら。私たちは運び終わるまでここにいるから、こっちは心配しなくていいわ」
「あぁ、任せた。何かあれば呼べ」
「えぇ、そうさせてもらうわ」
そう言って、巌窟王はゴーレムを連れて広場へと戻るのだった。
結局ライブ当日まで私がエウリュアレ達を出すのを我慢できるわけもなく。でもメインではないのでちょっと自重。