「さて。ライブも終わったので、インドに行く前にやり残したことはないね」
「うむ。というか、あのライブ、そういえばインドへの士気上昇目的じゃったな……BBがあれを作っとらんかったら効果が真逆になってた気がするんじゃが?」
「それはまぁ、是非もなしだよね」
「センパイはたぶん、あろうとなかろうとやった気がしますよ? まぁ、流石にそんな大災害は起こさせないとばかりに皆が止めに入るでしょうけど」
そう言って笑うBB。
ライブは大成功に終わり、再利用できる物だけ回収してバニヤンの踏みつけで一発解体して、帰って来た。
現在はいつものように技術部の工房で、いつものメンバーで集まっていた。
「それにしても、本当に楽々処理できるようになったわね」
「本当にね。やっぱりエリちゃんバフがあったのかな?」
「歌が宝具なんだから、ある意味バフよね。デバフだけど」
「まぁ、どちらにせよ、無事に終わったんじゃ。ほれマスター。開始直前で言われておった約束、守りに行くとよいぞ」
ノッブが言うと同時に、左右にいたエウリュアレとメルトの視線の温度が下がった気がした。
「そういえば、そうだったね……うん。行ってくるよ。どうなるか分かんないけど」
「面白そうだからついていくわ。ついでに私も遊んでくる」
「私もついていくわ。どんな目に遭うか楽しみだもの」
「うむ。なんか二人とも楽しそうじゃな。精々死なぬようにするんじゃなマスター」
「えっ、今の何処に死ぬ要素が? えっ、死ぬの? マジで?」
「安心してくださいセンパイ。死んだら骨は拾ってあげます!」
「助けに来るんじゃないんだね!?」
清々しいまでの笑顔で見放されるオオガミ。
だが、たぶん死ぬの意味が違うんだろうな。と思いつつ、監視カメラだけは絶対に潰すという決意を固める。
「あ、エリザベートさんは今休憩室のソファーで上機嫌で待ってるので、早めに行った方がいいですよ?」
「的確に場所を教えてくれてありがとう! お礼に監視カメラは全部潰しておくね!」
「無駄な労力、お疲れ様です! 楽しんできてくださいね~!」
捨て台詞を吐きながら走り去ったオオガミを、満面の笑顔で送り出すBB。
オオガミの後を追っていったエウリュアレ達も見えなくなったところで、ノッブが、
「して、対策は何をしてるんじゃ?」
「簡単ですよ。最近背景に溶け込んできたちびノブの一部を操作して、監視です。ちゃんとカメラ機能も内蔵されていますので!」
「なんでそんな変な機能を盛り込んだんじゃ……」
ドヤ顔のBBに、呆れたようにため息を吐くノッブは、それはそれとしてオオガミがどんな髪型に変えられるのかをBBと一緒に見るのだった。
昨日が800話だったことに気付き震えてる私です。ピンポイントで800話とか、ビビりました。日曜にライブしようとしか考えてなかったから三倍増しでビックリです。
やっぱりうちのアイドルは一味違いますね!(錯乱