「は~~~……楽しかった!」
「珍しく楽しんでおったな」
「だって、私の弓が気持ちいいほどに刺さるのよ? 令呪を全部使っちゃったとはいえ、私としては大満足よ」
「エウリュアレさん、張り切ってましたもんね」
「結局、200万たたき出しおったな……ぐぬぬ……余もそれくらい出したい……!!」
「いや、儂はトータルじゃし」
「そうよね。トータル300万だものね」
「ぐっ……ぬわーーーー!!!」
悲鳴を上げ、机に突っ伏すネロ。
それを見てにやりと笑うエウリュアレとノッブは、若干同じ雰囲気があった。
マシュはそれを見て苦笑いをするが、間違ってはいないので何も言えない。
「それで、戦勝祝いのソレか」
「えぇ。やっぱり、ここはホールケーキに挑んでみるべきなのよ」
「なにセルフチャレンジしとるんじゃ。それが残ったら儂らが食うんじゃぞ?」
「えぇ、もちろんそうよ? 何、変なこと言ってるの。特にノッブは否応でも食べるのよ」
「儂にだけ厳しいんじゃが」
「エウリュアレさんは天邪鬼な所がありますからね……」
「あら、私は思った事をしているだけよ? 思うがままに、好き放題やるの。少なくとも、今日の私はね」
「うぐぐ……余も貰うぞ……」
「あら、ネロも食べる? 仕方ないわね」
上機嫌と言うのは本当のようで、鼻歌を歌いながらケーキをカットするエウリュアレ。
ただ、普段は全くやらないので、上手く切れないようだった。
「……あぁもぅ。寄越せ。儂が切る」
「あぁっ! 何するのよ、もぅ」
「見ててもどかしいわ。ったく……普段やらんことをやって若干後悔するくらいなら、最初から儂に言え」
「何よ。いつもは面倒だのなんだの言ってるくせに、こういう時だけはやっちゃって。私だってやってみたくなる時はあるのよ」
「それでせっかくのケーキが台無しになってしまったら本末転倒じゃろうが。っと、これでいいじゃろ?」
「くぅっ……普段やらせてるだけあってうまいのがむかつくわ……!!」
「普段やらされてたら、流石に覚えるわ」
「むしろ、なんで普段やらされているのかが分からないんですが」
「マシュよ。それは、ノッブとエウリュアレだからだ。大体この二人が絡んだらそういう事にしておけばいいと、
「「何言ってる
二人の全力の突っ込み。しかも、それが身に覚えのない事で怒っているだなんて、誰が想像するだろうか。
「そうならない方がおかしいぞ? 二人でいる時間がどれだけあると思っているのだ」
「そんなにいる覚えはないんだけど?」
「うむ。儂もそんなにいた気はせんぞ」
「ほぼ四六時中一緒なのに、こやつらは自覚が無いからのぅ……」
「ずっといますよね……どちらかがいない方が珍しいです」
「……そうじゃったか?」
「……まぁ、マシュが言うのなら、きっとそうなのよ」
うんうん。とうなずく二人。
「よし、とりあえず食べちゃいましょ。せっかくノッブが切り分けてくれたんだし」
「うむ。もう癖になってるからな。どれだけ儂はこんなことやっとるんじゃ」
「ホールケーキなんか、滅多に食べないのにね」
そう言うと、二人は食べ始める。
それを見て、やっぱり一緒にいない所が想像できないと苦笑いをするマシュとネロなのだった。
ちなみに、戦闘編成の場合は今までの話を見てると分かりますが、超高確率でノッブが置いて行かれてます。今回が珍しいんやで……
いつかネロのダメージチャレンジもしてみたい……