「……とりあえず写真に納めておきましょうか」
「ちょ、止めなさいBB!!」
オオガミの部屋に入ったBBは、呟きつつカメラを取り出すと、パシャリ。と音が響く。
それと同時に顔を真っ赤にしたメルトが固まってしまった。
そして、そんなメルトを膝の上に乗せているオオガミは、
「あ、BB。その写真、後でちょうだい」
「マスター!?」
「はーい! 通常版とデコったのをプレゼントしますね~!」
「BBも!?」
なにやら交渉が成立したような二人に、困惑を隠せないメルト。
そんなメルトのリボンをほどいて髪を櫛で梳いているオオガミは、
「まぁ、うん。ばらまいたりしたら、エルキドゥで締め上げるからね」
「えっ、あ……さ、流石にしませんよ……?」
「……まぁいいわ。ばらまかないなら、貫かないであげる……」
顔を真っ赤にしながらも、ゆっくりとオオガミが髪を梳きやすいように姿勢を正す。
だが、そんな状況に、BBはちょっと楽しそうに、
「なんか、こういうメルトって、本当に珍しいですよねぇ~……とりあえず録画しておきますね~」
「だっ……! だからっ、そう言うのを止めろって言って……!!」
「BB~? それ以上は有料だよ~?」
「あ、止めまーす」
ビデオを撮ろうとしたBBに慌てたメルトを見て、すぐに対応するオオガミ。
写真は良いけど映像は駄目なのかとBBとメルトの二人が思うが、これ以上言ったらわりに合わない対価を払う確信があったBBは素直にカメラをしまい、
「よぅし。写真を現像してきますね~。あ、リボンもうひとつ要ります?」
「いや、ポニテにするから要らないよ」
「そうですか。じゃあ仕方無いですね。また後で会いましょうねセンパイ!」
そう言って部屋を出ていくBB。
その足音が完全に去ったのを確認してから、
「で、あのデータはどうするのよ……BBなら絶対ばらまくわよ」
「大丈夫。本当にばらまいたら容赦しないから。泣かせにいくから」
「……なら、良いのだけど」
一体何をする気なのだろう。と言いたげな表情のメルト。
だが、オオガミはそれに気付くことなく、黙々と髪を纏めあげ、BBへの宣言通りメルトの髪型をポニーテールに変える。
「ふふん。複雑なのはあんまり出来ないけど、こういうのはエウリュアレのおかげでサクサク出来るようになったよ」
「そ、そう……なんだか複雑なのだけど、そのエウリュアレはどこに行ったのよ」
「うん? 久しぶりにアナと一緒に食堂に行ってたよ。メルトも行きたかった?」
「ん。そういう訳じゃないけど、ちょっと気になっただけよ」
「そう? じゃあ、髪型も変えたし、食堂行こうか。のんびりお菓子食べたいし」
「……別に、こっちに持ってくれば良いと思うのだけど」
「……了解。ダッシュで行ってダッシュで帰ってくるね」
そう言うと、オオガミはメルトがなにか言うよりも先に走りだし、食堂へ向かうのだった。
うん。やっぱりメルトは可愛いなぁ!(吐血
それはそれとして、最後にアナが出たのって何時でしたっけ……ずいぶん出してない気がする……