「あぁ~……クソ。とんでもねぇ所だなクソが」
「おぅおぅ、荒れてんねぇ。大変そうだな新人さんよ」
「あぁ? 誰だテメェ」
「ん~……そうだなぁ……いやいいや。ロビンだ。よろしく頼むぜ」
どうにかBB達の魔の手から逃げ出したアシュヴァッターマンが、食堂で頭を抱えてるところにやってきたロビン。
何の用だと言いたげなアシュヴァッターマンの表情を見て、ロビンは、
「あ~、一応言っておくが、オレはなにもしないぞ。というか、マスターの周辺の奴等以外はそんな危険はねぇ」
「なんだそりゃ。マスターを守んなら近くにいなきゃ無理だろうが。なのに、そのマスターの近くが危険ってのはわりと謎なんだが」
「あ~……説明は難しいんだが、そうだな。マスターの部屋に行ったことはあるか?」
「あぁ、ある」
「じゃあ、そこに女が二人いたはずだ。覚えは?」
「あるな。薄紫の髪をしたのと、青い髪の二人だ」
「うんうん。じゃあ、その二人とは別で、黒髪のヤバいやつと、紫髪のヤバいやつはいたか?」
「……いたもなにも、オレを捕まえて火力発電だのなんだのを抜かしてたヤツだわ! 次はブッ飛ばす!」
「おぉ……もう接触済みか……いやまぁ、なんだ。その四人が、現状一番危ない奴等だ。関わらん方がいいんだが……そうもいかないか」
「応とも! やられたまま引き下がるなんざ、オレには出来ねぇな! 準備整えてからもう一戦だオラァ!」
「あ~、ダメだこりゃ。そのうちやらかしてエウリュアレの目に留まるな」
怒り狂うアシュヴァッターマンを見て、遠い目をするロビン。
とはいえ、内心は応援していたりする。なんせ、BBとノッブに振り回されているのは彼だけではなく、むしろ振り回されていない人物を探す方が難しいとまで思えるほどだった。
そんなときだった。食堂の扉が開き、茶々が入ってくる。
「ぷっりん! ぷっりん! 伯母上から没収したぷっりんを食っべるぅ~……ってうおぁ!? 怒りの炎が吹き荒れてるぅ~!?」
「はいはい。吹き荒れてますけど、報告しないでくださいね~」
「むむっ。さてはその褐色怒りマン、茶々の怒りぱぅわーと似たものを感じるよ!」
「あぁ!? なんだテメェ、分かるやつか!」
「なんかシンパシーを感じるよ! 名前を教えて褐色の怒りマン!」
「おぅ! アシュヴァッターマンだ! 好きに呼べ!」
「よろしくねアシュたん! 茶々だよ! 茶々って呼んで!」
「その呼び名はちょっと話し合いたいが、まぁいい! 行くぜ! まずはあの黒髪からだ!」
「話の流れは全くわかんないけど、黒髪で燃やしたくなるのは伯母上しかいないから燃やしに行こうアシュたん! レッツゴー!」
うわははは! と高笑いしながら飛び出していく二人を見送ったロビンは、
「もしかしなくても、問題児が増えた感じですかね? オレ、自分の苦労増やしたやつ?」
そう呟いて、またひとつ増えた悩みの種に、大きなため息を吐くのだった。
そこはかとなく緩和されたような気がするけど、これ、問題児が増えただけなんじゃないかとロビンさんと同じように思いつつ、なってしまったのだし、是非もないよねとノッブみたいに笑い飛ばすことにしました。
是非もないよねっ!