「あ~……なんか、だんだんとここの居心地悪くなってきたんですけど……」
「吾は前からだがな。頼光と廊下で鉢合わせたらどうしようもないからな……」
言いながら、サクサクとバタークッキーを食べるバラキーとカーマ。
最近になってシヴァの半身たるアシュヴァッターマンが来て、ついに天敵が揃ったかと言わんがばかりに渋い顔をするカーマと、通常モードと水着モードの二種類で絶対に殺しに来ようとする頼光に内心怯えているバラキーは、いつの間にか一緒にいることが多くなっていた。
「というか、何飲んでるんです?」
「む? これはな、『たぴおかみるくてぃー』なるものだ。最初はなんだこの黒いのはと思ったが、食べてみると意外とうまい。このなんとも言えぬ食感が良い」
「そうですか……それ、誰に言えば貰えます?」
「赤い弓兵だな。奴は作れる幅が一番多いからな。とりあえず頼むと出てくる」
「へぇ……じゃあ私もいってきますね。クッキー残しておいてくださいよ」
「戻ってくるときに新しいのを持ってくれば解決だな。待ってるぞ」
「えぇ~……仕方ないですね……」
そう言いながら、カーマは厨房のエミヤに向かって歩いていく。
そして、入れ替わるようにやって来たのはネロ。そろそろ暑くなってきたからなのか、いつもの花嫁衣装を脱いで水着になっていた。
「むっ。タピオカミルクティーか。貴様も流行に乗る気だな?」
「流行は知らぬ。吾はあると言われたから興味本意で貰っただけだ。ただまぁ、少し気になるから仔細を聞かせよ」
「むぅ……そこはかとなく余よりも偉そうにしている気がするが、まぁ良い。余は寛大だからな。その程度の無礼は許そう。して、仔細についてだが、巷ではなにやらタピオカチャレンジなるものがあるらしいのだ」
「なんだそれは……これを一気飲みでもするのか……? どう考えても喉に詰まらせて死ぬぞ……」「うむ。確かにそれは余と言えど一度死ぬかもしれぬ。というか、やりたくない。でだな。それがどんなチャレンジかと言うと、胸の上にそのミルクティーを乗せ、飲むものだと聞いた。ちなみにそれを自室で言っていたマスターはメルトとエウリュアレに蹴られて悶えていたぞ」
「それ死んでないか!? エウリュアレはともかく、メルトは致命傷になりかねないが!」
「うむ。余も思ったけど、生きてたしエウリュアレとメルトに医務室に連れて行かれたからおそらく大丈夫だ……と、思うぞ」
目を逸らしながら言うネロに、何とも言えない表情になるバラキー。
そんな時だった。わざわざ第三再臨にしてやってきたカーマは、胸の上にプラスチックカップに入ったタピオカミルクティーを乗せてドヤ顔をしつつ、
「ふふん。つまり、こういうことでしょう? どうです?」
「なっ……! 余が先にやりたかったのに先にやられるとは!」
「ふふん。私は出来ましたけど、貴女に出来ます?」
「やって見せようではないか! そこで待ってるが良い!」
「は~い。頑張ってくださいね~?」
そう言って、走り去るネロに手を振るカーマ。
それを見ていたバラキーは、ぼそりと、
「BBに似てきた気がするなぁ……」
その呟きはカーマには届くことなく、カーマ自身は楽しそうに席に座るのだった。
タピチャレに今更乗ってみましたけど、戦争起こりそうだなこれ……何が酷いって、オオガミ君の周囲でまともに出来るのっでBBだけでは……?
書いてる時にメンテが終わり、開くとそこにはネロがいた……ちょうどネロを出したと同時だったので、思わず笑ってしまったのは仕方のない事だと思う……