「ふふふ、ようやく300万を叩き出してあげたわ」
「その割には、疲れた表情をしておるな」
「黄金劇場のドラゴン少女ライブという最高コンビを浴びたくらいよ。うえっ、吐きそう……」
「女神のくせに吐くでないわ!! 担ぐぞ!!」
涼しい顔で(女神的な意味で)死の瀬戸際にいたエウリュアレを急いで抱えると、ノッブは急いで休憩室を出て行く。
入れ違いで、死んだ表情のオオガミが入ってきた。
その様子を疑問に思ったマシュは、オオガミに声をかける。
「先輩? どうかしたんですか?」
「いやぁ……ハハハ……手違いでうっかり石を全滅させた……」
「ちょ、先輩! 何をしてるんですか!?」
「一回回りだしたら止められないんだから仕方ないじゃん……次の瞬間にはもう回り始めてるんだから……」
「……その、それで、結果はどうだったんですか……?」
戦々恐々とした空気。さすがに石を全て消費したという大事件なのだ。気にならない方が凄いだろう。
「…………自称良妻が出てくれた」
「自称良妻……玉藻の前さんですか?」
「うん。ただ、運の悪い事に、頼光さんとばったりと会ってね……火花散らし始めたんで、怖くなって土方さんとエルキドゥに助けを求めに行ってた」
「あぁ……それで疲れてるんですね……」
「ふむ……ついにキャス狐も来たか……うむ! 余が迎えに行こうではないか!!」
そう言うと、ネロは走って行ってしまう。
二人がそれを見送ると、パッションリップが近づいてくる。
「あの、マスターさん。私も行きますか?」
「ん~……いや、あの三人の時点ですでに過剰戦力なんだよね……流石にリップまで入れたらひどい事になるからね……」
「そうですか……」
「うん。それに、リップはもうしばらく周回を手伝ってもらうからね。それまで休憩してて」
「はい。分かりました」
リップはそう言うと、マシュの隣に腰を下ろす。
「マスター。吾は逃げるが、探すなよ」
「いやいや、流石に頼光さんもこっちに来るだけの余裕はないって。それに、最終的には俺の部屋に逃げればいいと思うよ?」
「一応対策するに越した事は無いし……何より顔を合わせたくない。だって、斬られたし……」
「逆に一人の方が危ないと思うけど……」
「…………よし。吾はここから動かんが、それでよいな」
茨木はオオガミの左腕を掴むと、微動だにしなくなった。本当に苦手なのだろう。
オオガミはそれを見て苦笑いをするが、直後、右腕に掛かった重量に驚く。
振り向くと、そこにはナーサリーが居た。
「よく分からないけど、私もこうするわ!」
「うん、おかしいよね。どうしてそうなったのかな?」
「だって、皆楽しそうだったんだもの」
「そっかぁ……そう見えるかぁ……」
なるほど。と納得していると、休憩室の扉が開き、ノッブとエウリュアレが帰ってくる。
「はぁ……危なかった……」
「全く。だから私の事なんか気にしなくていいって言ったのに」
「それはそれ、これはこれ、じゃ。つか、エウリュアレをあんなにするとは、やはり侮れんな、ネロエリ……」
「そうね……まぁ、途中から感覚が無かったんだけどね」
「大問題じゃよね!?」
いつもの調子に戻っているエウリュアレ。それを見て、全員はほっとするのだった。
しばらくした後、召喚室前の大戦争に決着をつけてきた5人が休憩室に入ってくるのだった。
いやぁ……フレンドを回そうと思って石ガチャ10連を回すとか、どうかしてるよ……
玉藻が出なかったら今日の更新は出来なかったと言い切れる自信がありますね(ドヤ