「……流石に、暇になるね……」
「どうしてダッシュで終わらせたのかしらね……」
「あはは! 計画性皆無ですね! さてはバカなんですか!? まぁ、私は構いませんが!」
魔王城から外の風景を眺めつつ、そんな事を話すオオガミとエウリュアレに、大笑いしながらMACYOを突き砕く景虎。
もはや見慣れた光景になったこの周回に、遠い目をするのは仕方のないことだろう。出番の無いエウリュアレとメルトなど、完全に観光をしているだけだった。
「あ~……一区切りついたら城下町を見て回ろうか。帝都とか、面白そうなのを売ってる気がするんだよねぇ」
「ちびノブの人形で良いわ。ふわふわのやつ」
「売ってるかなぁ……」
「売ってたわよ。メルトと一緒に色々見て回ってたときに売ってたの」
「なんでそういうときに誘ってくれないんですかね?」
「だって貴女が領地を広めてる最中のことよ? 誘える雰囲気じゃなかったじゃない」
「なるほどそれはこっちの責任だね?」
なら仕方ないな。と頷くオオガミ。
確かに帝都を落としたときにメルトと一緒に遊びに行っていた気がするな。と納得する。
「他には何かあったの?」
「ん~……お菓子がほとんどなかったのが解せないわ」
「時代の問題だね?」
それは本当にどうしようもなくないか。と思うも、それなら人形が売ってるのもおかしいのではないかと考えるが、そもそもあそこだけ近代レベルのスペックだと言うことを思い出し、考えるのをやめた。
「ん~……それじゃあ、周回を終えたら皆で帝都に観光かな? どうせそんなにやることもないし」
「まぁ、ストーリー更新が来るまでこのままよね。明後日だったかしら」
「そうそう。だから暇なわけですよ」
「後半戦はどれだけあるかしら……今回は今までと形式が違うからあんまり想像できないけれど……」
「どのみちすぐ終わると思うけどね」
「パーティー固定はそんなに意味無かったものね」
「そもそもスペックが高いって言うのを忘れてたからね~」
純粋に、BBとアビゲイルが強いので、縛ってたのにほとんど苦労しないと言う状況。最後の敵だけ、ちょっと采配を間違えてやり直しをしたくらいで、実質苦労と言うほどのことはしていなかった。
「まぁ、最後だけはギリギリの戦いだったよね」
「そうねぇ……あのメンバーで私とメルトが引きずり出されるなんて思わなかったもの」
「金山だけは仕方ないよね」
「あれはよく一回でクリア出来たわよね。今思い返しても、なんで勝てたかわからないのだけど」
「気合いと努力と根性。そして何よりもゴリ押し」
「ゴリ押しじゃないの……」
そんな他愛の無いことを話している裏では、今も魔導僧兵が槍に突かれ、ちびノブ戦車が触手に叩き潰され、まとめてクレーターに変えられているのだった。
この二人。他のメンバーが頑張って周回をしている最中にこんなことをしているのである。いつも通りだったわ……
ちなみに、指令代理はノッブ。編成から外されて暇になったのを良いことにこき使われているのです。