『みなさ~ん! お楽しみいただいてますか~! いただいてますね~! という事でぇ~! こういう奴ではど定番! 二体の鬼の解放を阻止せよ! 適当にばらまいた鍵を探して、拘束してくださいね!』
* * *
「う~ん、どうしろって言うんですかこれぇ……」
「とりあえず、逃げ切りはしたけど……鍵探しからよねぇ……いや、スキルカードも探さなきゃだからやるけども、どうしようかしら」
「あ~……とりあえず、誰が放たれるのかを知るために檻を探しに行かなきゃな……」
そう言って、李書文から何とか逃げ切った二人は檻を探して歩き回る。
* * *
「……鬼封じだとよ。どうするお二人さん」
「ハァ……ハァ……何故、吾が鬼を封じねばならぬのか……というか、吾が鬼では……? あれ……吾、鬼よな……?」
「不安にならないでくださいよ……私も第六天魔王とか名乗ってるのがいるんですから。個人名のはずが役職みたいになっているんですけど。それと、このミッションをやらないとさっきみたいなのが起こりやすくなるって事ですよ」
「……やる。やらねばならぬ。さっきここに逃げてくる最中に檻を一つ見かけた。錠が一つあったから、鍵を探しに行くに決まっておろう」
カーマに言われ、すぐ立ち上がるバラキー。
よほど追われるのが嫌だったのだろう。目が本気だった。
「まぁ鍵はオレも探すが、捕まらんように気を付けろよ」
「あぁ……それはそれとして、カードを寄越せ緑の人。逃げたらここに縛り付ける」
「忘れてなかったか……ほらよ、カードだ」
「うむ。確かに貰った。ではまたな」
「あぁ。じゃあな」
そう言って別れるロビン。
バラキーとカーマはそれを最後まで見送ることなく、
「まぁ、鍵はここに一つあるのだがな」
「酷い事しますね……いえ、別に構いませんけど。楽しそうですねバラキー」
「最近ずっとホテルに籠っておったからな。こういうのもたまには悪くない」
クククッ。と笑いながら鍵を握りなおすバラキー。
「では、早めに鍵をかけておくか」
「えぇ、そうしましょう。これ以上追いかけてくるのを増やしたくないですし」
そう言って、二人は檻に向かって歩き始める。
* * *
「おっと。発表からほとんど時間が経っていませんが、もう一つ施錠されました! 残念です……カルナさんというレアキャラでしたのに、解放できず……お疲れ様です。回収してガネーシャさんにお届けしておきますね~」
「なぜガネーシャなのかは聞かんが、しかしカルナじゃったかぁ……見たかったのぅ……」
「次がありましたらそのときはまたお願いしますね~!」
BBの言葉と共に消える檻。
とはいえ、これはまだ二つのうちの一つ。まだ一つ残っているのを忘れてはならない。
「いやぁ、このミッションはサクッと終わりそうだね。もっと難しいのでも良かったんじゃないかい?」
「いえ、もともとクリアできるのが前提なので最初はこれでいいんです。無茶ぶりは後半からしていきましょう!」
「無茶ぶりはあるんじゃなぁ……」
そうしみじみ言うノッブに対し、BBは最高の笑顔でサムズアップしてくるのだった。
* * *
「っと、これが檻かな?」
「そうみたいね。覗けるみたいだけど……」
そう言って二人が檻の中を覗くと、中ではパライソが困ったような顔をしていた。
ただ、喋る様子が無い事から、おそらく会話出来ないようになっているのだろう。
「まぁ、案の定速いよね……というか、搦め手で逃げるのが前提じゃない?」
「正面切って逃げるのは想定されてないわね。そのためのスキルカードでしょうし」
「そうだよねぇ……とにかく、解放されないように鍵を探して来なきゃだ」
「えぇ、急ぎましょう」
そう言って、二人はその場を去るのだった。
* * *
そして二人と入れ替わるように現れるロビン。
彼は檻の前まで行くと、
「これで全部か。さっきマスター達が走って行ったし、たぶんもう片方はバラキーあたりがやったんですかね。ってことは、そんな離れてないのか?」
そんなことを言いながら、錠をかける。
それから間を置かずに消滅していく檻。
ロビンはそれを見届けた後、
「そんじゃ、スキルカードを探しますとしますか」
そう言って、ロビンは路地裏に潜るのだった。
* * *
「う~む。本当に適当に配置したらサクッと終わっちゃいましたね。これは次回への課題です」
「そうじゃな。ただまぁ、行動も早かった。バラキーがさりげなく鍵を見つけ出していなければもう少し時間がかかったじゃろう。それとロビンも、こういう探索は得意分野であろうよ。次のミッションが気になるが、果たしてどうなるか……儂は楽しみじゃ」
そう言って笑うノッブ。
マーリンはそれを聞いていて、
「僕の言う事が奪われてしまったね。そもそも解説なんて、やれることが少ないものではあるけど」
「まぁ、マーリンさんはそう言う役なので。ではでは、ミッションも一つ解決いたしましたし、勝者には褒美を。敗者には苦痛をという事で、レッツスロットタ~イム!!」
BBの宣誓と共に現れる巨大BBスロット。
まさかこのタイミングで出てくると思っていなかったのか、ノッブは目を見開きながら、
「随分と早いスロットじゃな。様子見はせんのか?」
「まぁ、諸事情による巻きですね。何もない時間と言うのはギャラリーにとって意外と退屈なモノです。なによりも、私が退屈なので! スロットスタート!!」
そう言って、BBはスロットマシーンを作動させるのだった。
中だるみしてきた……これ絶対どっかで止めた方が一番マシに終わらない? と、創作初心者みたいなことを言い出す私。何よりも、エウリュアレデートが組み込めない(血涙