「う~ん、正式にサーヴァントになったからって、この扱いを受けるのはちょっと意外だったかなぁ~……」
「正直、低身長女性サーヴァントでされてないのって実は少なかったりするのよね。まぁ、洗礼みたいなものじゃない?」
「何の洗礼ですか何の。誰もそんなの作ってないって」
「でも少なくとも私たちは全員されているのだけど」
オオガミに肩車をされているロリンチちゃん。
エウリュアレとメルトはある意味いつも通りなオオガミにため息を吐く。
「そんなに有名なことだったかな……う~ん、あんまりカルデア内の噂を聞いてなかったのが敗因か……」
「待って待って。敗因って何さ。えっ、肩車をされるのは負けって事なの?」
「うん? いえ、そんなことないと思うけど。子ども達には人気なのよ? 一応」
「まぁ、肩車できるのなら誰でも肩車をするのがマスターだもの。認めたくない気持ちはあるけども」
そう言って、オオガミの脇腹を突くメルトとエウリュアレ。
オオガミはその攻撃にピクピクと反応し、ロリンチちゃんもそれによって揺らされる。
「というか、なんで私は肩車をされてるんだっけ?」
「ん~……逃走防止?」
「する必要無くないかな!? 別に逃げたりはしないよ!?」
「いえ、今の言い方的に、たぶん特に深い理由はないんじゃないかしら。目についたから捕まえただけじゃない?」
「発想が怖い……! そのとりあえず捕まえるって発想はおかしいと思うよ!?」
「普段の行動もそんなものじゃないかしら。つい最近もあったし」
「大体いつものことよ。気にしない気にしない。今までのイベントの方がヤバいから」
平然と部屋を出て食堂に向かうオオガミ。
ロリンチちゃんが恥ずかしがろうとも関係なしなところも、いつも通りだった。
「それにしても、AP半減ボーナスで周回数が増えて、BBちゃんも孔明先生も大変だね」
「大変にしてるのは貴方なのだけど。それに、その子も宝物庫メンバー行きじゃない」
「雑に構築できたのはちょっと笑いそうになったわ。有能だったのね。ダ・ヴィンチって」
「まさか一日でそんな宣言をされるとは思わなかったよ。まぁそれも? 私が天才過ぎるのが原因だから仕方ないんだけどね!」
「う~ん天才。やはり天才は一味も二味も違うね。おかげで玉藻が過労死メンバー入りしそうになってるね」
「ついに過労死組も完全体になるのね。私たちの所はアタッカーが足りなかったから玉藻は保留されてたけど、ついに始動ね」
「宝物庫はね。種火は孔明先生監修BBちゃんのお手軽クレーター制作講座だけど。しかも、マナプリズムが必要になったからしばらくは種火だね」
そう言って、ロリンチちゃんを肩車したまま食堂の部屋を開けるのだった。
辻肩車してくるマスター。さてはコイツ危ない人だな?