「なんというか……終わりそうにないのぅ」
「大体いつも通りね」
「林檎……食わねば……」
「まぁ、欲しいものがあるかと言われると、悩むんじゃけどね」
「うん。ピースもモニュメントも今の所そんなに使わないしね。正直つづらの方が……って、あれ? じゃあつづらを集めに行けば良いんじゃ……?」
「うむ。そうじゃな。つづら集めに行くしか無かろう」
気付いてしまった衝撃の事実。反物を集めるために駆けずり回った今日は何だったのか。
塔だと蛮神の心臓が落ちるという天国だが、今は竜の逆鱗を集めた方が良いという己の心の声が聞こえた。
「ぐぬぬ……つづらを集めに温泉旅行をすれば最高だったじゃないか……!!」
「ふむ……それもありか」
「面白そうね。じゃあ、明日はそうしましょうか」
「吾も行くぞ!」
「う、うぅむ……皆が入っているうちは外で待機かなぁ……」
「そうじゃな。その間はヘラクレスとエルキドゥに守ってもらうのが一番じゃろ」
「そうするよ。じゃあ、準備だけはしておこうか」
完全に温泉旅行気分になっていうオオガミ。危機感が無いというか、感覚が麻痺しているというか。とにかく、特異点だという事を忘れているようだった。
「さて……とりあえず、問題はつづらじゃな。逆鱗交換に800個じゃろ?」
「うん。礼装は一枚だけだけど、何とかなるでしょ」
「先行き不安じゃのう……」
楽観しているというより、もはや諦めの領域に感じられるが、そこは突っ込まない方向で行くのだった。
礼装に関しては今更どうしようもないので、出来るだけ頑張る方向で行こうと腹をくくるが、いったいどれだけかかるだろうか。と想像する。
「まぁ、とりあえずは温泉で疲れを癒そう。ずっと戦いっぱなしだったしね」
「うむ。素材も実際はそれほど焦っても無いし、のんびりでいいじゃろ」
「昔と変わったわねぇ……ほんの数か月で素材に余裕が出来てるように感じるなんてね」
「現実的に考えると、全然足りないんだけどね」
「そこはこれからに期待ね」
「まずは全員レベルマックスからコツコツと頑張りますよ」
「えぇ、頑張りなさいな。見ていてあげるわ」
「手伝うと言わぬところがエウリュアレらしいのぅ。まぁ、種火に関しては茶々がメインなんじゃろうけどね」
ノッブはそう言うと、緑茶を飲む。
珍しくエウリュアレがお菓子を持ってきていないのは、今日は何となく、そういう気分ではないのだろう。
「よし。それじゃ、明日の準備をしてくるね」
「うむ。儂らも準備しておくぞ」
休憩室を出て行くオオガミを、ノッブ達は見送るのだった。
蛮神の心臓落ちまくりはおいしいんですが、イベントアイテムは交換したいという精神に従い、とりあえず辛うじて手に入れたつづら増加礼装で頑張る作戦。温泉客を薙ぎ払いつつ入浴できるのか……!!
あれ? 現実的に考えると、かなりの迷惑客……?