「くっ……真犯人が判明したのに、ネタバレ防止のために殴り飛ばしに行けない……!!」
「別に、明後日始末しに行くんだからいいでしょ。どうせなら私を出しても良いわよ。暇になったし」
「貴女が出たらすぐ終わるじゃない……」
言いながら、カジノ・キャメロットの中を見て回る三人。
エウリュアレはテーブルをいくつか見て、
「行けそうではあるけど、あのアロハ三騎士がやっぱり面倒ね……正確には、その取り巻きが邪魔をしてきそう」
「そうね……正直、本人よりも周りの方が面倒というのはよくある事よね……」
「取り巻きは取り巻きでも、女性陣が邪魔だよね……円卓は顔が良いからね。イカサマしても女性のゴリ押しが通っちゃうんだよ。威圧感やばいもん」
「なんだか私が指摘されてる気がするけど、気のせいよね」
そう言って、壁際に立つ三人。
その前を通るコンドルを見て、
「……アレはマスコット的扱いなのかな……」
「それなら、ドラゴンもそう言う扱いなのかしらね……」
言いながら、奥にいるドラゴンを眺めるエウリュアレ。
相性が悪い相手の為、喧嘩を売ろうと思わないエウリュアレは、比較的冷静だった。
話が逸れていたことに気付いたオオガミは、一つ咳ばらいをすると、
「まぁ、普通の騎士もディーラーをやってるみたいだし、いけるんじゃない?」
「そうね……まぁ、軽く挑んでみましょうか。見ている限り、ランスロットがイカサマをしているみたいだし、バレなきゃいいかしら」
「そもそも、イカサマ自体バレたらダメなのだけど。だからうちではスロットだけにしているの」
「なるほどね……まぁいいわ。とりあえず、一回やってみましょうか」
そう言って、適当なテーブルに座るエウリュアレ。しっかり男性ディーラーを選んでいるあたり、やろうとしている事は明白だった。
それを知ってか知らずか、ラムダもその隣に座り、オオガミはその間に立つ。
「……マスターは参加しないの?」
「こういう賭け事は沼にはまるのが目に見えてるから……」
「そう……ねぇ、初日からこんなだったの?」
「そうね……最初にやって、沼るって言ってからずっと後ろよ。実際、その時は結構注ぎ込んでたし、危険だったわ。破産するつもりなんじゃないかって思ったもの」
「……そうなのね」
ラムダはそれを聞いて、どこか可哀想なモノを見る目を向ける。
オオガミはその視線から目を逸らし、見なかったことにする。
エウリュアレはそれをみて苦笑いしつつ、視線を戻すと、
「それじゃ、お願いするわね」
魔力を乗せて、ディーラーの粛清騎士に言うのだった。
今日バニー王に一度負けて困惑しまくったのでメルト(ラムダに非ず)とリップで始末するという。やはりリップの攻撃力おかしい……
エウリュアレデートが想像通り膨らみまくって来たので、前後編で分けるか、一本でやるかちょっと悩んでます。どうしたものか……