「今更なんですけど、水着になったのに戦ってばっかりで、一切水着らしいことしてなくないですか?」
「それ以上はいけないぞBB……! 一昨年なんか水辺ですら無い方が多かったんだ……!」
「そうじゃよね……儂ら、レースして脱獄しただけじゃもんね……水着要素の必要性皆無じゃったしね……」
ラスベガスをぶらぶらと散歩しながら、三人は自分達の姿を見て遠い目をする。
しかしめげないBBはすぐさま立ち直ると、
「プールに行きましょうプール! 外縁はプールでしたよね!」
「あ~……まぁプールじゃなぁ……」
「プールでは、あるよねぇ……」
「なら迷わず前進! とりあえず水着の本来の役目を果たさせましょう!」
そう言って、BBは神妙な顔をしている二人を引きずってラスベガスの外に向かって走り出す。
* * *
「ほら、プールじゃろ?」
「……いやこれはプールじゃないです」
激流。大荒れと評しても良いほどの凶悪な流れに、流石のBBも頬を引きつらせる。
しかしそれでももしかしたら泳いでいる人がいるかもしれないと、諦め悪く嵐の海のごときプールを見渡し、
「あ! 人がいますよ! 大丈夫。泳げるみたいです!」
「はぁ? いやいや。この波じゃぞ。無理に決まっとるって」
「えぇ? いや、でもほら、見えるじゃないですか」
「どこじゃ? どうせ幻覚じゃろ……っている~!」
「やっぱりいるじゃないですか! お~い! どんな感じですか~!!」
そう言って、手を振るBB。
しかし、すぐさま嫌な予感を感じたオオガミは、一人プールから離れる。
それに気づかない二人は無邪気に手を振り続け、顔が分かるかどうかというところまで近付いてきた時だった。
「んっ……儂、なんか嫌な予感がする」
「奇遇ですね。私もです……」
そういった直後だった。
プールの中の人物が潜ると同時、二人の周囲を水が囲う。
そして即席の水の檻は宙に浮かぶと、
「『
「「ギャーーー!!!」」
息もつかせぬ一撃必殺。
貫かれた二人はそのまま地面に落ち、貫いた本人は優雅にオオガミの正面へと着地する。
「ごきげんようマスター。こんなところに何用かしら?」
「いやね、BBが、せっかく水着なんだから、水着っぽいことをしたいって言い出して、それでこのプールに来たわけだよ」
「なるほどね……他にもあったと思うのだけど。まぁ、泳げるなら泳いでみればいいわ。すぐ流されるから」
「だよねぇ。で、ラムダはどうしてここに?」
降ろしていた髪は一本のサイドテールに纏められ、水着は上下が別れたフリル盛りだくさんの水着を着ているラムダ。要するに第3再臨の姿な訳で、オオガミに見せびらかすようにポーズを取りつつ、
「私はほら、泳げるもの。最初はエウリュアレに誘われたのだけど、彼女もここだと泳げないし。今はここから少し離れた所で椅子とビーチパラソルを置いて寝てるわ」
「え、誰が準備したの? 明らかに二人だけじゃないよね?」
「えぇ。アナも一緒だったわ。ステンノは、他の用事があるって言って来なかったけど……おかしいわね。あの二人って、実質二人で一人じゃなかったかしら……」
「ステンノ様は神出鬼没だから……何処にいるとか分かんないから……」
「そ、そうなの……まぁいいわ。貴方も一緒に戻りましょう? どうせ暇でしょ」
「まぁ、たった今一緒に遊んでた二人が倒れたしね。とりあえず二人とも連れていくよ」
オオガミはそう言って、BBとノッブを雑に担ぎ上げると、
「それじゃ、行こうか」
「それ、女性を持ち上げる持ち方ではないわよね」
冷ややかなラムダの視線を受けつつも、オオガミは案内を頼むのだった。
今回もわりと水着関係無くないですか?(言ってはいけないツッコミ
まぁでも、そんな夏イベも明日で終わり。明日からはボックスイベントが来るのです(願望
まぁ虚無期間ならおとなしく種火貯めてますけどね。周回要員増やさなきゃ……
次のデート回をどうするか
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エウリュアレ一択
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メルトを忘れるな
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技術部二人とぶらり旅